トヨタの高級ミニバンとして圧倒的な人気を誇る「アルファード／ヴェルファイア」。現在は2023年6月に発売された4代目（40系）が現行型としてラインナップされています。
　
　このアルファードとヴェルファイアは先代までは販売チャンネルが異なる兄弟車という扱いとなっていましたが、現行型からは全店で取り扱うため、アルファードはラグジュアリーに、ヴェルファイアはスポーティにとキャラクターが分けられました。

　そんな“アルヴェル”ですが、現在は最上級グレードの「Executive Lounge（エグゼクティブラウンジ）」と、ミドルグレードの「Z」系グレードのみのラインナップ。

　先代までの従来型にあったエントリーグレードの「X」のようなものはなく、最も安価な仕様のアルファードの「Z」グレード・2WDのガソリンモデルでも540万円スタートと大幅に価格がアップしてしまっています。

　そこで、発売当初からエントリーグレードの追加が期待されていますが、もし追加されるとしたらどんな仕様となるのでしょうか。

　このヒントとなりそうなのが、現在のところ福祉車両の「ウェルキャブ サイドリフトチルトアップシート車」専用のグレードとしてアルファードに用意されている「G」グレードです。

　この車両は電動でスライドダウンするチルトシートを2列目席に装備し、より快適に乗り降りをすることができるようになっているものです。そして価格は2WDのガソリンモデルで472万円と、「Z」よりも大幅に安価になっています。

　このGグレードですが、サイドリフトチルトアップシート以外の変更点もいくつかあります。

　エクステリアでは、Gグレード専用加飾のフロントグリル、シンプルなシルバー塗装の17インチホイール、材着色（無塗装樹脂）のフォグランプカバーが主な差異となります。

　そして内装も大きく異なります。

　ディスプレイオーディオは小ぶりな9.8インチとなり、スピーカー数も8個が標準。Z同等の14インチ＆10スピーカーはメーカーオプション扱いです。

　そしてシート表皮もファブリック／合皮のコンビとなるほか、インナーミラーもデジタルや自動防眩ではなく、ただの防眩ミラーとなる（デジタルはメーカーオプションで選択可）というような違いとなっています。

　このように他のグレードと比較してしまうと物足りなさを感じる部分もあるかもしれませんが、装備的には十分満足できるものとなっており、それで価格が安いのであれば検討したいというユーザーは少なくないのではないでしょうか。

　ただし、福祉車両は消費税が非課税となるので、通常グレードとなると472万円に消費税がプラスされ、519.2万円。

　とはいえ、そこからサイドリフトアップチルトシート分の費用を引いて、500万円を切る価格となれば、更なる人気を獲得することは間違いないハズです。