トヨタの子会社であるトヨタ車体は、2015年に開催された「第44回東京モーターショー」にて、「ハイエース プラチナムラウンジ」というクルマを出展しました。
　
　このハイエース プラチナムラウンジとは一体どのようなのでしょうか。

　ハイエースは、トヨタが製造・販売するワンボックス型のバンです。

　商用車としてはもちろん、乗用車としても多くのユーザーから支持されており、現在でも新たなカスタマイズパーツがリリースされ続けています。

　そして今回取り上げるハイエース プラチナムラウンジは、そのようなカスタマイズパーツを使って作られたコンセプトカー。

　カスタムを手掛けたトヨタ車体は同車について、「艶やかな夜の世界を美しく走り抜け、都会のパーティへの移動が似合う、最大級の空間を贅沢に味わうナイト エクスクルージブ ワゴン」であると説明しました。

　そんなハイエース プラチナムラウンジボディサイズは、全長5410mm×全幅1920mm×全高2285mm。

　ハイエースの中でも最も車体の大きい「スーパーロング」の車体をベースとしており、前後のデザインはハイエースの面影がまったく無いほど大規模なカスタムが施されました。

　フロントマスクには大型のメッシュグリルが備わり、リアには横一文字のテールランプが輝きます。

　また、黒いボディの下部にシルバーの塗り分けが施され、トヨタの最高級車である「センチュリー」を思わせるようなルックスを獲得。

　通常のハイエース スーパーロングは、ボディパネルの継ぎ目やルーフパネルの溶接シロ兼雨どいはそのまま残されています。

　しかし、ハイエース プラチナムラウンジではこの部分もしっかりと処理され、商用車らしさを消滅。

　凹凸のない、つるんとしたスタイルになっている点も見どころでした。

　インテリアも「ラウンジ」の名に恥じない豪華なものになっており、白を基調とした車内空間に、対面式の4人分の豪華なシートが鎮座。

　フロントシートとの間には大型のモニターが埋め込まれた隔壁が存在し、レクサスの最高級ミニバン「LM」の現行モデルにも匹敵する、贅沢感のある空間が広がっています。

　そのほか、大型モニターや高級オーディオ、調光式大型天井照明、可動式テーブル、ワインセラー、コーヒーメーカーなども備わり、スライドドアの開閉にくわえてモニターやオーディオの操作はタブレット端末で行うことが可能です。

　いま思えばハイエース プラチナムラウンジは、現代のプレミアムミニバンに採用されている装備を先取りして搭載していたことが分かり、時代を先取った先進的なモデルだったといえるでしょう。

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　商用車ではなく高級な乗用車として振り切った内容で登場した、ハイエース プラチナムラウンジ。

　車内にワインセラーやコーヒーメーカーまで備えているという、コンセプトカーならではの遊び心満載の1台でした。

　同車は出展から約9年が経過した現在も市販化はされておらず、残念ながらこのまま発売されることは無さそうです。

　しかし、このような豪華仕様からキャンピングカーまで、カスタム次第で何にでも応用できる、ハイエースというクルマの汎用性の高さを示すことには、確実に成功していました。