6000万円超え! 日産「“22年落ち”スポーツカー」出現! 新車10倍の「伝説の最終モデル」が超カッコイイ! 信じられないコンディションの「R34ニュル」福岡に登場

アメリカのオークションサイトで、日産「スカイラインGT-R」が約6000万円で落札されました。高額落札の理由は、いったい何なのでしょうか。

走行距離は「1700キロ」 新車同然の限定車「ニュル」

 2024年10月22日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」で、日産「スカイラインGT-R」(BNR34型)が40万ドル(当日レートで約6024万円)の高額で落札されました。
 
 どのような個体なのでしょうか。

約6024万円で落札された日産「スカイラインGT-R VスペックIIニュル」(Photo:(c) Bring a Trailer/Seller:DaveyJapan)
約6024万円で落札された日産「スカイラインGT-R VスペックIIニュル」(Photo:(c) Bring a Trailer/Seller:DaveyJapan)

「Bring a Trailer」はアメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置くオークショニアです。日本をはじめ、世界各国の様々な年代・タイプのクルマを取り扱い、オークションを開催しています。

 今回、福岡県から出品されたスカイラインGT-R(BNR34型・以下R34GT-R)は、1998年に日産が発売した2ドアクーペタイプのスポーツカーです。

「スカイライン」シリーズは、1960年代から支持を集めている人気のスポーツセダン・クーペです。中でも最速バージョンである「GT-R」は、国内のみならず、海外の有名レースで金星を挙げるなど、輝かしい歴史を持つ名車として今も親しまれています。

 そんなGT-Rにおいて、伝統の直列6気筒エンジンを搭載する“最後のモデル”となったのがR34GT-Rです。

 先々代(BNR32型)から採用された2.6リッターツインターボ「RB26DETT」型エンジンと、電子制御4WDシステム「アテーサE-TS」は熟成の域に達し、ベースである10代目スカイライン(R34型)譲りの高剛性ボディがそれらの力を受け止めました。

 またミッションの6速化、カーボンディフューザーや可変式2段リアウイングの採用による空力性能向上も、R34GT-Rの大きなトピックでした。

 今回落札された個体は、R34GT-Rの中でも最も人気なモデルの一つである「VスペックIIニュル」。

「ニュル」は2002年、R34GT-Rの生産終了時に設定された最終限定車です。N1耐久レース仕様のエンジンやタービンが組み込まれているほか、300Km/hスケールのスピードメーターや、専用のエンジンヘッドカバーが特別装備されています。

 出品者によれば、今回の個体は718台生産されたVスペックIIニュルのうち、13番目のモデル。2018年まで国内ワンオーナーで維持され、その後福岡県内の業者が購入したもようです。

 ステアリングやシフトノブ、ウインドウバイザーなどの貴重な純正部品も多数残されています。いっぽうで、「NISMO」タイプのバンパーやスポイラーといったエアロパーツも装着され、外観はスタイリッシュにカスタムされている様子です。

 エンジンルームや下回りにもひどい腐食や汚れはなく、これまで大切に扱われてきたことがわかります。

 出品者によれば、この個体には日本国内での登録書類のほか、メンテナンス記録も付属しているとのこと。

 そのほか、給油口の蓋の裏に貼られた「無鉛プレミアム」の表示や、クオーターウインドウに残る日産純正セキュリティシステムのステッカーも、海外ファンのみならず日本のスポーツカーファンにとって感涙モノのアイテムでしょう。

 きわめて良好なコンディションのこの個体はオークションでも人気を集め、26件の入札の末、10月22日に40万ドルで落札されました。日本円で約6024万円となる入札結果は、新車時の価格である610万円の10倍近くと考えると驚きです。

 近年、映画やアニメ、漫画などの影響もあり、日本製クラシックカーの人気が世界的に高まっています。

 しかしアメリカには「25年ルール」という、製造から25年以上が経過していない右ハンドル中古車の輸入を規制する法律があります。

 今回落札されたR34GT-Rも、2002年式で25年が経過していないため、出品者は2027年2月までこの個体をアメリカに輸出することはできないとしています。

 オークションサイトのコメント欄には落札額に驚く声のほか、輸出解禁までの間に相場はもっと高騰するのではないか、という意見が寄せられました。

 国産スポーツカーの中でも屈指の人気車であるR34GT-R。1998年の初期製造モデルは今年25年を迎え、輸出が解禁されています。今後どのような形で海外でも愛好されるのか、目が離せません。

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