トヨタが「超スゴいランクル」世界初公開! カクカクボディ×FJスタイル採用!? 「謎のROX」とは? 日本への影響は? 米国SEMAで実車公開へ

トヨタの米国法人は2024年11月1日、新型「ランドクルーザーROXコンセプト」の実車の画像と詳細を初公開しました。SEMAショーで実車が展示されますが、どのようなモデルなのでしょうか。

これがすごい「ランクル」です!

 アメリカ・ラスベガスで始まる「SEMAショー」において、彼の地のランクリストたちの注目を集めているクルマがあります。

 北米トヨタが出展しているコンセプトカー「ランドククルーザーROX」です。

ROXとは?
ROXとは?

 “ROX”とは「レクリエーション・オープン・エクスペリエンス」の略。

 自然と融合させてくれるクルマであるランドクルーザーを、さらにエキサイティングにするというコンセプトで創られました。

 デザインや製作を担当したのは、「ランドクルーザー250」のグローバルデザインチームであるカルティ・デザイン・リサーチです。

 チームが達した結論は、“オープンに改造して使いやすさや機能性を向上させ、アウトドアでの楽しさを拡大する”ということでした。

「デザインの過程で、過去の名車であるFJ40と結び付いた」とチーフデザイナーのアダム・ラビノウイッツ氏。

 ランドクルーザーFJ40型は、トヨタが北米で初めて成功したモデルであり、未だに人気の高いクルマ。

 アメリカのエンジニアたちにとってもマイルストーンのような存在です。

 FJ40にはジープタイプの幌車が存在し、降雨量の少ない地域が多い北米では、これをフルオープンにして乗るスタイルがスタンダードでした。

 さらにこのクルマをリフトアップ&ワイドトレッド化。

 大排気量のV8ユニットにエンジンスワップして楽しむというのが、カスタムメニューの定番となっています。

 ROXはまさに、こうしたFJ40のスタイルをオマージュしたものであり、SEMAショーにふさわしい250系カスタムの提案になっています。

 まずアッパーボディをカットしてフルオープンになるようカットし、ドアも下部がオープンになるように造り直しています。

 さらにTRD製のサスペンションパーツを使ってワイドトレッド化とリフトアップを行い、ワンオフの18インチホイールと大径オフロードタイヤを装着することで、往年の名車がカスタムしている様子を再現しました。

 このクルマが凄いのは、単なる“飾り”のクルマではないこと。

 ベースとなった250系のハイブリッドパワートレーン(2.4L直4ターボ+モーター)はきちんと機能しており、動画では荒野を疾走するシーンも映し出されています。

 もちろん、これはワンオフのコンセプトカーであり、今後ランドクルーザーのラインナップに加えられるモデルではありません。

 また、オープン化は手間もお金もかかるので現実的ではないでしょう。

 しかし、サスペンションチューンについては別の話。

 きちんとパーツを揃えてやれば、現代のランクルでもここまでのハイリフト化ができるというお手本と言えます。

 トヨタもリリースの中で書いていますが、ROXの足回りを構成しているパーツの中にはメーカー純正ではないものも多く含まれています。

 そのため、北米のコンプライアンスでも公道走行は不可能とのこと。

 当然ながら、日本の法規的にも公道走行不可ということになりますが、エクステリア、インテリアのカスタムという点でも、日本の業界が参考にできそうなメニューがちりばめられています。

 大型ワイドフェンダーや前後のスキッドプレート、ルーフのライトバー、そしてウインチが内蔵できるガードタイプのフロントバンパー。

 さりげなく外観のアクセントになっている牽引フックも、すでに日本のアフターパーツ業界が持っているアイテムです。

 インテリアでは、バケットタイプのレザーシート。

 ROXのレベルほどではなくても、日本でもカスタムできそうな部分が多くあります。

 昨今のランドクルーザーはカスタムが非常にしにくいというのが業界でよく言われます。

 2025年以降、このクルマにインスパイアされたカスタムランドクルーザーが、日本のカスタムカーショーにも登場するかもしれません。

【画像】超カッコイイ! これが「斬新ランクル」です(77枚)

トヨタが提案する救急車発見技術がスゴすぎる!

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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