「保険料&ガソリン代安くなるのサイコー」 でも「沖縄県」だけ? 「全国唯一の軽減」なぜ実施? 他都道府県との違いとは
自賠責保険料が安いワケは? さらに全国で唯一ガソリン税の軽減措置とは
その理由として、まず沖縄県が本土に復帰した1972年当時は沖縄県民の所得がその他の都道府県民の所得率より60%程度低く、沖縄県民の負担を考慮して価格設定をしたことが考えられます。
1972年度における沖縄県の所得率は40万5997円、東京都の所得率は1231万6987円であり、大きく差がある状況がうかがえました。
なお総務省が2021年5月に公表した資料「2019年全国家計構造調査 所得に関する結果及び家計資産・負債に関する結果」においても、年間収入の最も多い都道府県が東京都の629.7万円、最も少ない都道府県が沖縄県の423.3万円となっており、依然として地域差があるといえるでしょう。
次に自賠責保険料が安い理由として、沖縄県は交通事故の発生が少なく、事故が発生した場合でも当事者同士の話し合いで解決するケースが多かったことが挙げられます。
加えて沖縄県は、島で走行範囲が限られることから事故リスクが低いとみなされることも影響していると考えられます。
上記のように沖縄県の歴史的背景や地理的状況、県民性などによって自賠責保険料が安くおさえられているといえるでしょう。
さらに沖縄県は全国で唯一、ガソリン税(揮発油税)が1リットル当たり7円軽減されています。
これは1972年の本土復帰に際して制定された沖縄復帰特別措置法(正式名称:沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律)に基づいて導入された措置です。
しかし沖縄県石油価格調整税条例では、沖縄県の離島へのガソリン輸送にかかるコストを踏まえて1リットル当たり1.5円の県税を県民から徴収しており、実質的には1リットル当たり5.5円の軽減といえるでしょう。
この軽減措置に関しては、沖縄県の本土復帰から50年以上が経過したことで廃止を求める声もありましたが、原油価格の高騰や沖縄県の経済に与える影響などを考慮して2027年まで延長されることが決まっています。
また、このような軽減措置があるからといって必ずしも沖縄県のガソリン価格が安く抑えられるワケではありません。
経済産業省資源エネルギー庁が公表している「石油製品価格調査」によると、2024年10月21日時点のレギュラーガソリンの全国平均が174.9円なのに対し沖縄県は178.8円と3.9円ほど高く、主に輸送費がガソリン価格に大きく影響しているものとみられます。
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沖縄県では自賠責保険料が他の都道府県と比べて安く設定されているほか、ガソリン税の軽減措置がとられています。
とはいえ、最近は原油価格の高騰や輸送コストなどからガソリン価格が高くなる傾向にあり、県民の暮らしにも少なからず影響を与えているといえるでしょう。
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