“新車77万円”のホンダ革新的「コンパクトカー」なぜ売れず!? 全長3.7mで「フィット」より小さなボディ採用! めちゃ実用的な「街乗り最強モデル」は隠れた名車か!
ホンダの展開するコンパクトカー「フィット」は、今や誰もが知るモデルと言えるほどの成功を収めていますが、過去にホンダは、高い支持を得られず1代のみで消えてしまった悲運のモデルも販売していました。
ホンダの革新的「コンパクトカー」なぜ売れず?
ホンダのコンパクトカー「フィット」は、2001年に初代が登場。
扱いやすさから高評価を受けた同車は、現在4代目が展開されており、国内累計販売は200万台以上というベストセラーに成長しています。
しかしかつてホンダには、フィットよりもコンパクトだったものの、高い支持を得られずに1代のみで消えてしまったクルマが存在しました。
そのクルマとは、フィットの先代モデルにあたる「ロゴ」です。
1996年に発売されたロゴは、それまでホンダが販売していたコンパクトカー「シティ」の後継車として開発されました。
2代目シティは実用性に乏しい面があり市場で苦戦したことから、ホンダはロゴの開発にあたって実用性を徹底的に追究。
コンセプトを「ちょうどよさ」と定め、「タウンカーとしての最適を追求したクルマ」といううたい文句とともに登場したロゴは、その文句通り、コンパクトながらも余裕のある居住空間と優れた走行性能を兼ね備えていました。
ボディサイズは全長3750-3785mm×全幅1645mm×1490-1510mmと、全ての値が初代フィットよりも小さい車体で、ボンネットは短い一方、キャビンは長く背は高いのが特徴。
スペース効率を追究することで、車内空間のみならずラゲッジスペースを広く取ることにも成功しています。
パワーユニットには、最高出力66馬力を発揮する1.3リッターSOHCエンジンを搭載。
このエンジンは「ハーフスロットル高性能」のキャッチコピーのもと、日常で頻繁に利用する低・中速域でピークトルクを生み出すよう設計されているのが特徴でした。
これに「ホンダマルチマチック」という、スムーズな変速と低燃費を強みとするCVTを組み合わせ、当時の同クラスにおいてトップクラスの燃費性能を発揮。
そのほか、高剛性キャビンや運転席用SRSエアバッグシステムを全車に標準装備するなど、こちらもクラストップ水準の安全性を備えたクルマとなっています。
こうして誕生したロゴは開発コンセプト通り、コンパクトなボディに広い車内空間や快適で経済的な走行性能を備え、まさに「良いとこ取り」のクルマでした。
初期モデルの新車価格が77万円から121万8000円と、安価に抑えられていたところも魅力的です。
しかし残念ながら、市場では思いのほかヒットせず、販売面では苦戦してしまいます。
その理由のひとつとしては、「良くできたクルマだけど個性に欠ける」という当時の評価が挙げられるでしょう。
とくに、意図してシンプル路線を狙ったスタイリングが裏目に出ました。
この外観は、デザインにこだわったことで失敗した2代目シティの反省を踏まえたものでしたが、「かっこいい」とも「かわいい」ともいえない無味無臭的なデザインは「購入したい」という気持ちに繋がりにくかったのかもしれません。
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このようにホンダは、2代目シティとロゴの2モデル連続で、主力コンパクトカーの販売を失敗してしまうのですが、その反省をさらに活かして開発された初代フィットは、今や誰もが知るモデルへと大ヒット。
現在では世界的にもホンダを代表するクルマとなりました。
そんなフィットの大成功の舞台裏には、ロゴという実質的な先代モデルの存在があることを忘れてはいけないでしょう。
当時はそこそこ見かけた気がするが、てっきりPoloの対抗馬かと思っていた。
しかし、1300で66馬力とは中低速のトルク重視とは言っても街乗りにしか使えなさそうだ。
軽自動車の方がマシだと思われたのでは無いのだろうか。
でも、この車が叩き台となってフィットがヒットしたのなら作った意義も有ったと言えるのかな。