トヨタ「最高峰モデル」に“斬新スライドドア”搭載!? レール不要でスッと開く! 「センチュリーSUV」に装備可能なスゴい後席ドアとは?
SUVスタイルで2023年9月に発表されたトヨタ「センチュリー」はフルオーダーで好みの仕様に仕上げることができます。オーダーできる装備として、新たな開閉方法を実現した「リンク式パワードアシステム」も選べるようです。どのようなものなのでしょうか。
「リンク式パワードアシステム」がスゴい!
トヨタの最高峰モデルといえば、セダンタイプの「センチュリー」です。
センチュリーは初代が1967年にデビュー。その後、1997年に2代目、2018年に現行モデルとなる3代目が登場しており、5リッターV型8気筒エンジンにモーターを組み合わせた、歴代初のハイブリッド車として投入されました。
そんなセンチュリーの新たな仕様として、SUV風のセンチュリー(以下、センチュリーSUV)が2023年9月6日に世界初公開。
このセンチュリーSUVは「The Chauffeur」をコンセプトに開発。センチュリーにふさわしい品格や静粛性・乗り心地を継承しつつ、これからの時代もユーザーの期待に応える新しいショーファーカーへと進化しています。
ボディサイズは全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm、ホイールベースは2950mmと、セダンよりもひと回り大きく設計。
外観は堂々とした品格のあるデザインとし、リア重心のプロポーションとドア平面を几帳面でくくった造形を組み合わせ、センチュリー独自の世界観を表現しています。
さらに、塗装面を磨き上げボディにより強い光沢をもたらす「鏡面磨き」や職人による彫刻が施された「鳳凰エンブレム」など、手作業によって細かなディテールも丁寧に仕上げられました。
4人が乗車できる車内は「人中心」の思想で設計され、さまざまなシーンで活用できる広さと機能を両立。
リアドアは75度まで開くことができるほか、フロアは段差のない掃き出しフロアとすることで優れた乗降性を実現しています。
また、オート電動格納式ステップやセンターピラーに大型グリップが備わり、自然で美しい乗降所作を可能としました。
センチュリーSUVのプラットフォームはTNGAを採用。リアサスペンション取り付け部に「ラゲージルームセパレーター骨格」を結合し、ボディねじり剛性や乗り心地を向上させるとともに、室内側には「遮音機能付クリア合わせガラス」を装備することで静粛性がアップしています。
パワートレインは3.5リッターV型6気筒エンジン+前後モーターに51Ahのバッテリーを組み合わせるPHEV(プラグインハイブリッド)を採用。システム最大出力は412馬力を発揮しながら、EVモードでの航続可能距離は69kmを可能としました。
最高峰のセンチュリーSUVでは、クルマの仕様をフルオーダーすることができます。
2023年9月に世界初公開時には、フルオーダーの一例として、「リンク式パワードアシステム」を採用した「センチュリーGRMN」がお披露目され、話題になりました。
リンク式パワードアシステムはアイシンが開発した新たなスライドドアで、スライドドアの利点である乗降性の良さと、車両のデザイン性を両立する画期的なシステムを備えています。
通常のスライドドアは、車体の側面に配置したレールの上をドアヒンジが移動することでドアを横方向に動かしますが、まっすぐなレールを配置する必要があり、搭載できる車両の形状が限られています。
その一方で、リンク式パワードアシステムでは、回転アームなどを用いた保持・開閉駆動をおこなう部品を新たに開発し、車体にレールを設置することなく、また車両のデザインを保ったままでドア開閉が可能になりました。
ドア後方がやや斜めに開くと、先に開いたドア後方と同じ位置まで、回転アームによってドア前方が移動し、そのまま後ろへスライド。
ドア自体がボディと並行して開くので、狭い駐車場でも幅を取らずにドアを開閉させることができます。