全長3.4mで「4人」乗り! レクサス「“極小”SUV」がスゴい!? 流麗ボディに斬新「彫り深デザイン」採用! 登場期待の「LF-SA」とは
国内ブランドのなかでもラグジュアリーカーを見事体現しているレクサス。そんなレクサスですが、かつては非常にコンパクトなボディサイズながら「レクサスブランド」らしい高級感を詰め込んだコンセプトカーを発表していたのです。
かつてないほどの「コンパクトボディ」
今から約9年前の2015年3月、スイス・ジュネーブで開催された「ジュネーブモーターショー」において、1台のコンセプトカーがレクサスブースから出展されました。
レクサス自ら「ウルトラコンパクトクラス」と称するその高級車は「LF-SA」というモデル名が与えられ、注目を集めたのです。
モデル名の「LF-SA」とは、「Lexus Future Small Adventurer(未来の小さな冒険者)」を意味し、未来の生活スタイルにおいても運転の歓びを追求する精神をその名に込めたものとされています。
フランス・ニースに拠点を置くトヨタのデザイン拠点「ED2(EDスクエア)」が、LF-SAの企画段階からモデル製作までを一貫して担当。
レクサスブランドにとって未知の領域である、2+2シーターのウルトラコンパクトクラスかつラグジュアリーなクルマを具現化したのです。
主な特長として、主に都市部での使用が想定され、狭い場所での取り回しやすさと機敏な走りを実現するコンパクトなサイズ、彫りの深いボディの造形を追求した結果、見る角度によって刻々と表情が変化して見えるデザインを採用しています。
内装については、運転席を固定するといったユニークな方式を採用。
その代わり、位置の調整が可能なステアリングおよびペダルレイアウトとすることで、シティユースでも快適で広々とした運転空間を実現しているほか、助手席はスライド可動式とし、後席への乗降性に配慮しています。
さらに、将来のインフォテイメントを視野に入れた、ホログラムタイプのデジタル表示とワイドヘッドアップディスプレイを採用しています。
LF-SAのボディサイズは、全長3450mm×全幅1700mm×全高1430mmと発表されています。
2ドアのSUVというよりも「2ドアの高級コンパクトSUVクーペ」ともいえる成り立ちです。
小さな高級車といえば、かつてトヨタ「iQ」をベースに、アストンマーティンがデザインを手掛けた独自の内外装に換装した「シグネット」が挙げられます。
シグネットは2011年秋からは日本でも販売され、当時の価格は475万円からと、ベース車両であるiQのおよそ3倍、まさに「小さな高級車」だったのです。
ちなみに、全長はLF-SAの方が400mmほど長いとはいえ、両車のサイズはほぼ同じ。
つまり、シグネットあるいはトヨタ「iQ」をイメージすることで、LF-SAのサイズ感やパッケージングがなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
LF-SAは、日常生活で最新技術の進化による自動化が進むなかでもドライバー自らが運転する歓びを表現・追求したデザインスタディモデルといえます。
道が狭い市街地でも取り回しの良さに加えて、運転する楽しさを味わえるウルトラコンパクトクラスのクルマなのです。
発表から現在に至るまで、直接的な市販モデルは登場していませんが、現在ラインナップされているコンパクトSUV「LBX」では、サイズにとらわれないラグジュアリー感を体現。これに続いて、さらにコンパクトなLF-SAの登場にも期待したいところです。
そして筆者(松村透)が考えるのは、レクサスのスポーツモデルシリーズ「F」モデルが追加されたらどれほど魅力的かということです。
LF-SAというクルマの魅力を紐解いていくと、間違いなく素晴らしいクルマになる。そう思えてならないのは筆者だけではないはずです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。
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