「ケンメリ」とは、1972年から発売された4代目の日産「スカイライン」の愛称です。
　
　そのなかでもパフォーマンスを極めた「ケンメリGT-R」は、排出ガス規制等の兼ね合いで、販売期間わずか4ヵ月、生産台数197台というタイミングで生産を終了しています。
　
　現在でも世界中のコアなカーマニアから人気を博しているケンメリGT-Rですが、とあるイベントで斬新なケンメリGT-Rが目撃され、話題となりました。
　
　一体どのようなクルマなのでしょうか。

　そのクルマとは、日本自動車大学校（以下、NATS）が手掛けた「幻のちびメリ」です。

　NATSは、主に自動車整備関係の学科を持つ専修学校です。

　そんなクルマ好きが集うNATSは、2024年1月に千葉市美浜区の幕張メッセで開催された「東京オートサロン2024」に、学生達が製作したカスタムカーを出展。

　ブース内には複数台のユニークなカスタムカーが展示されていたなかで、幻のちびメリはひと際異彩を放ち、来場者から大きな注目を集めていました。

　エクステリアはケンメリGT-Rのデザインを纏うも、明らかに“ホンモノ”のケンメリGT-Rより小さなサイズ感です。

　それもそのはず、幻のちびメリは1983年にデビューしたスズキの小型ピックアップトラックの「マイティボーイ」がベースとなっています。

　マイティボーイのボディサイズは全長3195mm×全幅1395mm×全高1395mmと、ケンメリGT-Rの全長4460mm×全幅1690mm×全高1380mmと比較して、かなりコンパクトです。

　しかしながら、NATSの学生達の「ケンメリ風の車を作りたい」という願望から4代目スカイライン（ケンメリ）のレーシングカーカラーをマイティボーイに施し、戦わずして伝説を繋いだ幻のケンメリレーシングのDaily Useを現実にしたといいます。

　なお、カスタムしていくうえで特にボディラインの造形に拘ったとし、サイドラインにFRPを使用しつつ、鉄板を成形してケンメリのサーフラインを再現したと述べていました。

　そんな幻のちびメリですが、東京オートサロン2024の出展時には公道走行不可となっていたものの、同年3月に車検を通し無事公道デビューを果たしたとのことです。