なぜ「渋滞」発生する? 「事故」「工事」が原因ではない! 「自分のせい」で起きてしまうことも… 知られざる“メカニズム”とは

「渋滞」はなぜ起こるのでしょうか。

「渋滞」なぜ起こる? 「自分のせい」の可能性も

 クルマに乗っていると渋滞に巻き込まれることがあります。
 
 なぜ、渋滞が発生するのでしょうか。

なぜ「渋滞」は起こるのか
なぜ「渋滞」は起こるのか

 渋滞についてNEXCOは、「時速40km以下で低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が1km以上かつ15分以上継続した状態」のことと定義しています。

 一般的には、さまざまな要因によって交通の流れが鬱滞し、通常よりも通過時間がかかってしまうことを指しています。

 渋滞が発生する原因は、主に「工事渋滞」「事故渋滞」のほか「交通集中渋滞」の3つが挙げられます。

 渋滞というと工事や事故が原因となるイメージがあるかもしれませんが、NEXCO西日本によると、全渋滞の約64%が交通集中渋滞によるものだといいます。

 さらに、工事渋滞や事故渋滞は、工事や事故の現場で車線が規制されるなど、渋滞の発生ポイントが明確ですが、交通集中渋滞は具体的な原因がわからないまま、いつの間にか渋滞を抜けていたという事象もめずらしくありません。

 しかし、交通集中渋滞は特に発生しやすいポイントが存在しており、代表的なのが上り坂や、下り坂から上り坂に変わる「サグ部」と呼ばれる地点です。

 上り坂やサグ部では、それまでの下り坂や平坦な道と比べてよりもアクセルを踏み込まないとスピードを維持することができません。

 上り坂に入ってもアクセルの踏み込みが一定のままだと、ドライバーが意図せずじわじわと速度が低下してしまうため、後続車が次々とアクセルを緩めたりブレーキを踏んだりすることになり、やがて渋滞が生じます。

 ほかにも、インターチェンジやジャンクション、SA・PAの出口などの合流部分も、車線変更や減速するクルマが多くなるため、後続車にブレーキを踏ませることとなり、渋滞が発生しやすいポイントです。

 さらに、トンネルの入口では急に暗くなることで、無意識にアクセルから足を離してしまい、やはりスピードが落ちることがあります。

 こういった地点では、交通量が少ない時は問題がなくても、交通量が多い時間帯には1台の減速が後続車に連鎖的に伝わっていき、渋滞発生の原因となりえるのです。

 これに対して、NEXCO各社など道路管理者によってさまざまな渋滞対策が行われています。

 例えば、交通量の多い道路にはう回路が作られたり、車線数を増やしたりなど、ハード面の整備のほか、渋滞が発生しやすい地点では「速度低下注意」や「渋滞終了」「速度回復願います」など、ドライバーが意識的に速度を維持・回復できるような表示が行われています。

 ドライバー自身も定期的に速度を確認し、速度低下を起こさないよう、前のクルマとの車間距離に注意しながら一定の速度を維持し、むやみな車線変更を控えたり、適正な車間距離を維持するなど安全運転を心がけることが、渋滞予防にも繋がります。

 一方、上り坂やサグ部、トンネル入り口での無意識の速度低下以外にも、ドライバーが周囲に気を取られ、じわじわとスピードが落ちてしまうことも考えられます。

 これは「見物渋滞」「脇見渋滞」と言われるもので、高速道路の沿線で花火やお祭りなどのイベントが開催されていたり、対向車線で大きな事故があったりすると起こるものです。

 こうした見物渋滞では、単に交通の流れが悪化するばかりでなく、前方不注意による追突事故なども起こりやすく、多重事故を招くこともあります。

※ ※ ※

 渋滞に遭遇すると、目的地までに時間を要することや周囲のクルマが車線変更するなどで、イライラしてしまう人もいるでしょう。

 それによって焦りが生じたり、低速走行・停止を繰り返すことで疲労し、集中力が低下してしまうこともあり、事故の危険性も高くなります。

 渋滞を回避するためには、事前に道路交通情報をチェックしたり、長期連休では発表されている渋滞予測を確認し、混みやすい道路や時間帯を避けることが大切です。

 また、渋滞が避けられない場合は、思い切って高速を降りて観光してみたり、回り道をするなど、イライラしない運転を心がけると安全につながります。

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