えっ…AT車も「エンスト」する!? 実は「MT車」だけの事象じゃなかった! エンストが起きる「原因」と発生時の「対処方法」とは
エンジンの突然停止を意味する「エンスト」は、MT車の操作ミスで起きることと認識している人が多数ですが、実はAT車でもエンストしてしまう可能性があるといいます。一体どういうことなのか、詳しく解説します。
えっ…! AT車も「エンスト」するの!?
エンジンストール、いわゆる「エンスト」とは、クルマのエンジンが何らかの理由で突然停止してしまうことを意味し、マニュアル車(MT車)の場合であれば、クラッチの誤操作やエンジンの回転数が足りない場合などに発生します。
しかし、自動で変速を行ってくれるオートマチック車(AT車)でも、エンストしてしまう可能性があるといいます。一体どういうことなのでしょうか。
AT車がエンストする原因として、主に挙げられるのが「エンジンの不具合」です。
中古車販売店に勤める整備士によると、AT車なのにMT車のように突然ガクンとエンジンが止まってしまった場合は、プラグなど点火系にトラブルが起こっている可能性があるとのこと。
エンジン内の燃料に着火するための火花を起こすことができないため、エンジンが止まり、動かなくなってしまうのです。
また、燃料ポンプなどの「エンジンに燃料を供給するための部品」に不具合が起こっている場合も、AT車がエンストする事例です。
エンジン内で爆発を起こすには、燃料だけでなく空気も必要。
そのためにエンジンに空気を送る部品に、何らかのトラブルが起こっている可能性もあります。
見分け方として、燃料系のトラブルでエンストする際には、突然ストップするのではなく、ゆっくりと速度が落ちていき、最終的に動かなくなってしまうという特徴があります。
シンプルに「ガソリン切れ」でエンストする場合と似たような形で、クルマが止まってしまうのです。
このようにしてAT車を運転中にエンストが起こった場合、まだクルマがゆっくりでも動いているのであれば、ハザードを点灯させつつ後続車両に注意しながら道路左端にクルマを停めましょう。
そして周囲の安全を確認した上で、エンジンが再始動しないか確認し、動かないならロードサービスに連絡して指示を仰ぎましょう。
また、ガクンと急にクルマが止まってしまい、その場から動かせないような場合は、速やかにハザードランプを点灯させ、トラブルが発生していることを後続車両に伝えます。
可能であれば、ギアをニュートラルに入れて安全な位置まで押して動かすのがベストですが、難しい場合には無理をせず、角板や発煙筒を使って危険を知らせた上で、ロードサービスに連絡し助けを待ちます。
そして万が一、クルマのエンジンに不具合が起こってしまうと、当然ながら再び走行するために修理や交換が必要になり、伴って修理費用もかかります。
前述の整備士によると、「エンジンのどの部分に不具合が起こっているかで修理にかかる金額は変わります。安ければ数万円で済むかもしれませんが、数十万円の修理費用が必要になる可能性もあります」とのこと。
長い期間、エンジンをメンテナンスしていないとトラブルが起こる可能性が高まりますので、いきなりエンジンが止まってしまわないよう、定期的にエンジンの点検・整備することが大切です。