なぜ「●●銀座」全国に存在? 「東京の銀座」と関係ある? 戸越・旧軽井沢等もあるけど… 逆に「金座」は?

無数にある「●●銀座」、そのなかでも「戸越銀座」は特別な関係

 一方、「●●銀座」と称する場所は、「金座」や「銅座」に比べてはるかに多く存在します。

 特に、商店街に対してその名が用いられることが多く、東京都北区の「十条銀座商店街」や静岡県熱海市の「熱海銀座商店街」などをはじめ、全国には300を越える「●●銀座商店街」があると言われています。

 言うまでもなく、そのほとんどは東京都中央区にある銀座にあやかって名付けられたものです。

「●●銀座」の元祖とされているのは、東京都品川区にある「戸越銀座商店街」です。

 全長1.3kmにおよぶその商店街には400を超える店舗が並んでおり、そのにぎわいは本家の銀座に勝るとも劣らないものとなっています。

 ただ戸越銀座商店街は、単にブランドネームとして「銀座」の名を冠しているわけではありません。

 戸越の商店街が「銀座」の名を関するようになったのは、1923年に起こった関東大震災以降のこととされています。

 上述したように、当時の銀座は防火・防災対策のために、レンガ造りの道路が採用されていました。

 しかし、関東大震災によってその多くが損壊したことから、当時最先端だったアスファルトで舗装した道路で復旧されることになります。

 一方、戸越は低地に位置していることから、当時は慢性的な冠水に悩まされていました。

 そして、その対策として水はけのよいレンガで舗装がおこなわれることになり、そこには銀座で使用されていたレンガが用いられました。

 その結果、戸越はほかの地域と比べていち早く復旧が果たされることとなり、その感謝の念を込めて「戸越銀座」の名を与えられたとされています。

東京都品川区の「戸越銀座商店街」は本家の銀座と特別な縁がある
東京都品川区の「戸越銀座商店街」は本家の銀座と特別な縁がある

 ちなみに、戸越銀座商店街の東側には「戸越銀座銀六商店街」がありますが、当時レンガをもらいに訪れた場所が銀座6丁目であったことに由来しているようです。

 このように、戸越銀座と本家の銀座には並々ならぬ特別な関係があったことがうかがえます。

※ ※ ※ 

 かつての江戸には、銀座のすぐそばに「金座」と呼ばれる場所がありました。

 実際に金座(=金貨の鋳造所)が置かれていたその場所は、現在では日本橋本石町へと名称を変えていますが、その跡地には日本銀行本店が置かれており、かつての名残を感じることができます。

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