経済効果は「5100億円」!? 「舞鶴若狭道」全通から10年 観光売上「倍増」の街も! ネット上では「早く4車線化して」の声も
NEXCO中日本および西日本は2024年7月19日、「舞鶴若狭自動車道」が全通して10年を迎え、整備効果が「約5100億円」にのぼったと発表しました。
北陸道と中国道をつなぐネットワーク
NEXCO中日本および西日本は2024年7月19日、近畿北部の「舞鶴若狭自動車道」が全通して10年を迎え、整備効果が「約5100億円」にのぼったと発表しました。
舞鶴若狭道は総延長161.8km。中国道の吉川JCT(兵庫県三木市)から北へ分岐し、春日JCTで北近畿豊岡道、綾部JCTで京都縦貫道と接続しつつ、日本海側の舞鶴市、小浜市を経由して、北陸道の敦賀JCTに接続する高速道路です。
神戸方面から舞鶴方面へ直結する主要南北軸を形成するほか、北陸方面への「第2ルート」としての役割を果たします。これまでは名神から米原を経由していたのが、神戸市内や中国池田、天王山トンネルなど渋滞ポイントを避けて短絡できる「抜け道」になっています。
1991年に中国道から舞鶴市までがつながり、順次延伸。2014年に小浜IC~敦賀JCTが開通して全通を果たしました。
さて、それから10年が経過し、同社によると、かなりの開通効果が生まれているようです。
まず経済効果は10年間で約5100億円。具体的には、輸送コストや所要時間の短縮で生産性が活発化し、販売量や雇用創出が促進したことをふまえ、算出されたものです。
沿線に新たに企業立地したのは約140件で、就業者数は約3300人増加。製造品の出荷額は倍増したとしています。
さらに農水産物の輸送量は沿線3府県(兵庫、京都、福井)で約1.6倍に増加し、販路拡大につながっています。
あわせて、中核的な病院への救急搬送に時間短縮をもたらしたほか、沿線観光地への集客にも貢献したとしています。特に舞鶴市は、北陸道と直結した2014年から急増し、約8年で観光消費額が2倍になっています。
悲願の全通からはや10年に対し、SNSなどでも「はやっ」「だいぶ変わったな」「いま敦賀から小浜までつながってなくて国道27号で行けって言われたら考えられない」などの声が見られます。
いっぽうで、全通はしたものの、舞鶴~小浜~敦賀の日本海沿い区間は依然として2車線の「対面通行」の状態が大半で、時間帯や時期によっては混雑も見られます。
4車線拡幅をのぞむ声も沿線自治体を中心に多く、少しずつ事業化されて工事が進められているところです。具体的には、舞鶴西JCT~小浜ICの46.5kmが事業化済み。それに加えて、三方五湖スマートIC~若狭三方ICが今年になって「準備調査候補箇所」に追加され、検討が始まることとなりました。
ネット上では「4車線化してくれないと真価は発揮できないよね」「全通して10年経つのに、高速バスが全然走ってないのが現状」という声も。舞鶴若狭道の「次の10年」は、その真価発揮に向けて動き出す段階になっていきそうです。
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