ホンダ新型「フリード」VSトヨタ「シエンタ」“どっち”を選ぶべき? 大人気「コンパクトミニバン」の“使い勝手”は「どう違う」のか

「シエンタ」と新型「フリード」、同じようでもキャラクターは「随分違う」!

 では、最後にラゲッジの使い勝手を比べてみます。

 新型フリードは、2モーターハイブリッドのe:HEVになってもホンダ独自の低床技術を引き継ぎ、ラゲッジのフロアの低さは地上からわずか480mmとピカイチ。

ホンダ 新型「フリード e:HEV CROSSTAR」5人乗り仕様は荷室を専用設計し、低い床と四角く広い空間が広がります[写真は4WDモデル]
ホンダ 新型「フリード e:HEV CROSSTAR」5人乗り仕様は荷室を専用設計し、低い床と四角く広い空間が広がります[写真は4WDモデル]

 そして新型フリード クロスターにのみ設定される2列・5人乗りモデルでは、フロア高はもっと低い335mmになるほどです。

 今回、新型フリードの荷室床の低さをもっと活用できるようにということで、今までちょっと重く大変な操作だった3列目の跳ね上げ格納を大きく改善。

 跳ね上げ位置を90mm低く、開口部に近い位置にしたことで操作がラクになり、格納後の張り出しも薄くなりました。

 これで積載する自転車のハンドルが引っかかりにくくなったり、大きな荷物がさらに積みやすくなっています。

 5人乗り仕様の2列目ベンチシートのタンブル操作も簡単で、背を倒した際の床面との隙間をなくすボードもついており、低くフラットなフロアに変身。車中泊にもピッタリな空間が誕生します。

 シエンタのラゲッジは、地上からの高さは505mmありますが、開口部の下の方が幅広くなっており、横幅のある荷物をすべらせて積みやすくなっているのがポイント。

 高さも1070mmと、新型フリードの1110mmに迫る高さを確保しています。

 そしてシートアレンジにも技あり。3列目シートが2列目シートの下にピタリと格納できるようになっているので、低いフロアとして活用できます。

 格納操作をする際には、一度2列目シートを持ち上げる必要があるので少々手間はかかりますが、ラゲッジの上の空間まですっきりと広く、後方視界も大きく確保できるという利点があります。

 また、2列目シートの座面を持ち上げて1列目に寄せれば、奥行きが1525mmに広がります。

 車中泊として横になるには少し狭いかもしれませんが、休憩スペースとしてリラックスするには十分な空間となっています。

トヨタ「シエンタ」はコンパクトカーとミニバンの「いいとこどり」でまとめられています
トヨタ「シエンタ」はコンパクトカーとミニバンの「いいとこどり」でまとめられています

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 こうして見てくると、新型フリードは小さくてもしっかり「ミニバン」として使うことができ、シエンタはコンパクトカーとミニバンのちょうど中間のような、双方のいいとこ取りができるクルマに感じます。

 さらにシエンタだけの特徴として、これはハイブリッドモデルのみに限られますが、AC100V/1500Wのコンセントがインパネとラゲッジに2箇所ついており、車内や屋外で電化製品が手軽に使えるところも大きな魅力。

 自宅の駐車場ではわざわざ自宅から延長コードを使わなくても掃除機などが使えたり、アウトドアレジャーでは電気ポットなどが使えて楽しみ方が広がります。

 また万が一の災害時には、シエンタを電源として自宅などに給電することも可能な非常時給電システムがあり、ガソリン満タンの状態から一般家庭(1日の使用電力400Wの場合)で最大約5日分の電力がまかなえます。

 いざというときの備えにもなるのが頼もしいところです。

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