無事故無違反です。「なんで保険料が値上がりするのですか?」 3年連続で引き上げ!? どんな背景があるのですか? 不正請求受け、疑問視する声も
2024年6月24日、損害保険各社から構成される非営利法人・損害保険料率算出機構(略称:損保料率機構)は自動車保険料を決める際の目安となる「参考純率」を平均5.7%引き上げる方針を明らかにしました。
インターネット上では「値上がりは認めない」「やむを得ない」…など賛否の声も
損害保険料率算出機構は、自動車保険料を決める際の基準となる「参考純率」を引き上げる方針を明らかにしました。
これにより2026年以降の自動車保険料の値上がりが見込まれますが、これには一体どのような背景があるのでしょうか。
2024年6月24日、損害保険各社から構成される非営利法人・損害保険料率算出機構(略称:損保料率機構)は自動車保険料を決める際の目安となる「参考純率」を平均5.7%引き上げる方針を明らかにしました。
この参考純率は2026年以降の自動車保険料に反映される見通しで、2024年から3年連続で引き上げられています。
これにともない自動車保険料も値上がりが見込まれますが、参考純率の引き上げには一体どのような背景があるのでしょうか。
そもそも自動車保険料(いわゆる任意保険の保険料)は、「純保険料率」と「付加保険料率」の2種類から構成されています。
純保険料率は交通事故が発生したときに保険会社が支払う保険金に充てる部分をいい、付加保険料率は営業活動や人件費、事故の調査費用など保険事業をおこなう上で必要な経費に充てる部分をいいます。
さらに損保料率機構が算出した純保険料率のことを「参考純率」といい、損害保険会社はこの参考純率をもとにして自動車保険料を決定します。
ただし参考純率はあくまで使用義務のない参考数値であり、これを適用するか否かは各保険会社が判断します。
なお参考純率は、損保料率機構が保険会社の契約データや保険金の支払いに関するデータなどを分析し、交通事故の傾向や少子高齢化といった社会環境の変化を踏まえて決定します。
今回の参考純率の引き上げには、次のような背景があります。
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・新型コロナウイルス禍で減少していた交通量が回復し、交通事故が増加
・物価高によりクルマの部品代や塗装費用、工賃の値上がりなど修理にかかる費用が高騰
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つまり、このような背景により保険会社が支払う保険金が増加し採算が悪化していることから参考純率の引き上げに至ったものです。
損保料率機構の統計「2023年度 自動車保険の概況」によると、2022年度は対物賠償責任保険における修理費用が平均30万400円であり、年々増加傾向にあります。
これは車両のうち、衝突被害軽減ブレーキのような比較的高価なセンサーシステムの部品が増加していることも影響しているとみられます。
今後この参考純率の引き上げを目安として、損害保険会社が自動車保険料を決定することになるため、当然自動車保険料の値上がりが予想されます。
この件に関してインターネット上では「ビッグモーターなどの不正請求問題がある中での値上げ強行は認められない」「保険業界は莫大な利益が出ているのに、何のために保険料を値上げするのか理解に苦しむ」など、損害保険会社への厳しい声が相次いでいます。
その一方で「クルマの修理代は本当に高くなっているので、保険料の値上がりはある程度やむを得ない」「契約者の状況により保険料は一律ではないので、自分に合った保険会社を探せばよいと思う」など一定の理解を示す声も寄せられました。
確かに自動車保険の参考純率ではクルマの用途や型式、ドライバーの年齢、過去の事故歴などのリスクに応じた「料率区分」が設定されているため、同じ補償内容であっても保険料は契約者によって異なります。
たとえば衝突被害軽減ブレーキが装着されたクルマは事故リスクが下がるため保険料が安くなるほか、ドライバーの年齢が若ければ事故リスクが高いとみなされて保険料が高くなる傾向にあります。
また、無事故期間が長ければ等級が上がり保険料が割引されます。
このように自動車保険料はそれぞれのドライバーの状況に応じて変わるため、まずは自分の契約している保険内容を確認してみることが大切といえるでしょう。
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参考純率の引き上げによって自動車保険料の値上がりが見込まれますが、保険料は個人の状況によって千差万別です。
一般的に保険料はウェブサイトや電話などで直接契約する「通販型」の保険会社の方が安くなる傾向にあるため、保険料の値上がりが気になる場合には保険会社の変更を検討しても良いでしょう。
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