意外な場所で「日本の個人タクシー」発見! なぜ気合い入りまくりの「ティアナ」存在? 北京で見た光景とは
反対気味だった母も完成するとお気に入りに!
―― 「個タク」カスタム。家族や周囲の友人の反応は?
父親はある程度クルマ好きで理解を示してくれましたが、母親は「そんなに家のクルマに手間を掛けなくても」と、反対気味でした。
なので、とりあえず最初は「白に全塗装するだけ」で話を進めました。
個タクカラーは、のちに就職が決まってからなのでその頃には特別反対される事もありませんでした。
カラーリングが完成した今では、実は母親もお気に入りです。
車好きの友人や車のイベントなどでは勿論大絶賛を受けますが、車好きじゃない友人に見せても、日本に旅行した事があったり、日本のドラマや映画が好きで、個人タクシーに見覚えがあると面白がってくれます。
―― 街で知らない人に声を掛けられることはありますか?
街中で振り向かれる事は多いですね。勿論中国にも色々な人が居ますから、日本語のステッカーが貼ってあるだけで嫌悪感を覚える人も居るとは思いますが、異国のはたらくクルマが街を走っているというのは、やはりユニークな光景だと思います。
―― 中国はクルマのカスタムがやりにくいと聞いていますが、そのあたりはいかがでしょうか?
主な問題としては各地域による車検基準の差、そして改造の基準がアバウトで、例えばステアリングやシフトノブなど、内装で安全に関わるパーツはどんな物に変更しても一切問題ないのに、ホイールの大きさや、純正或いは正規メーカーの外装パーツなどが地域によって改造が許されないケースがあります。
つまり現状として、パーツは売られているのに、車検上は付けてはいけない(勿論、いわゆる闇車検や規制の緩い地域での車検などでやり過ごす方法はある)という事に対して、不合理性を感じる事はあります。
ドイツのテュフや日本の車検対応パーツなどといった規定された改造の基準に伴う認証があれば、大分改善されるとは思います。
でもこういった点も含めて、私のような、いわゆるステッカーチューンというのは中国の現状や法律にしっかり適した車のカスタム方法なのかもしれません。
―― 日本に来られた際、タクシーに乗りましたか?
実は東京の公共交通機関が便利過ぎて、(そしてタクシー代も安くないので)乗る機会はありませんでしたが、次回行った際には必ず乗って体験してみたいと思います。
旅行中の街中では常に観察していました。
特に東京の個人タクシーは車種のバリエーションにも富んでいて見ごたえがありますね。
―― これからやってみたいカスタムはありますか?
日本仕様の純正ナビ(および日本語のスイッチ)、タクシーメーター、そして追加の内装のステッカー。
ダミーの緑ナンバー、お金を入れるトレー(キャッシュレス化が進んだ中国では、日本らしいあのフサフサのついたトレーが案外入手困難でした)などなど、もっとディテーライズしていきたいです。
―― 日本車の中で気になるクルマはありますか?旧車、新車あればいろいろ教えてください
ティアナのオーナーとして取材を受けていますが、基本的に古いクルマが大好きなんです。
230セドリックHT、、130クラウンステーションワゴン、R31スカイラインあたりが好みです。
新しい車といっても20年以上前の車で恐縮ですが17系クラウンエステート、2代目センチュリー 、Z33のフェアレディZあたりが好きです。
※ ※ ※
本物の個人タクシーへのこだわりが凄まじいですが、近くで見ても本物と全く見分けがつかないほどの仕上がりに改めて驚きました。
まだ25歳と若いFangさんですが、こんなにも日本のタクシーと旧車を愛してくれているのは嬉しい気持ちになります。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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