高さわずか150cm!? 港区の再開発で消滅寸前「天井低すぎトンネル」最後の姿とは 首曲げないと歩けない!?「タクシー殺しのガード」は今どうなっているのか
徐々に消えていく「首曲がりトンネル」最後の灯火が光る現在
最初の変化は2021年。開発区域である敷地西側が着工を迎え、ガードの西半分が閉鎖され、自動車が通行不可となりました。
閉鎖されたあとは「地上の仮歩道」が作られました。泉岳寺駅から旧ガード部に入ると、しばらく両側に仮囲いが並ぶ地上通路を歩いて、JRの線路まで到達すると、階段で線路を下へおり、そこからは旧来の「首曲がりトンネル」となっていました。
なお、仮歩道からは、掘削時に出土した、最初期の鉄道(新橋~横浜)で使われていた「高輪築堤」の遺構を見ることもできました。
それから3年が経過。2024年6月現在、東側に残っていた「首曲がりトンネル」も、さらにほんの一部を残すのみになっています。
東半分の約120mのうち、旧来の「首曲がりトンネル」が残るのは、西端のわずか30mほどです。
それ以外は、南側に並行して作られた仮のトンネルに切り替わっています。こちらは手を伸ばしても届かないほど、高い天井になっていて、ごく普通の地下道という感じです。
南側のトンネルに切り替わった理由は、新道路トンネルの工事が進行し、ちょうど西側出口付近で「首曲がりトンネル」に当たってくるからです。
現地では、子どもが「天井高くなったね~」と話していたり、逆に初めて来た人が、突然低くなった天井に「うわっ何だこの地下道は!」と驚いていたりしました。
では、最後まで残った「首曲がりトンネル」はいつまで生き残るのでしょうか。都の案内では、この仮ルートは「2027年3月末まで」としています。そのあとは、新道路トンネルの「歩道部分だけ」先行開通し、歩行者ルートは全面的にそちらへ切り替えられます。
つまり、その時までは、短い距離ながら、身をかがめてトンネルをくぐりぬける最後の体験ができるというわけです。
「南側に並行して作られた仮のトンネル」は新しく掘ったのではなく水路だったところです。写真を見ると下の方に古い構造が残っていて水につかっていた跡が残っていますね。西側通路からこの道は下がったところにあります。以前の天井の低い通路・道路は下に下水管があったため低かったのですが。この水路にはありません。加えて水を抜いて歩けるようにしたので天井が高く感じるのだと思いますよ。