「外国の方が運転しています」ステッカー、全国へ そのねらいと効果とは?
東京でも独自デザインで導入
――アイディア源としては「赤ちゃんが乗ってます」などのステッカーなのでしょうか?
いえ、初心者マークや高齢者マークなど法令に則ったものを参考にしています。県警などと相談しながら寸法や規格、材質などを決めて作成しました。
――利用客の反応はどうでしょうか?
沖縄ではマグネットステッカーを貼ってもらうことに問題は起きていません。しかし北海道では、貼ったクルマのドライバーが富裕層だと思われて、車上荒らしのターゲットになりかねないという意見もあるそうです。
※ ※ ※
北海道でも、道観光局と道内の各レンタカー協会が連携し、2016年3月に独自デザインのステッカーが導入されています。道観光局は「運転に不慣れな人が乗っているということがわかる意味でも、ステッカーの導入はレンタカー会社から『よかった』といわれます。ただ、車上荒らしの対象になっては困るので、借りる人には『長時間駐車するときは外してほしい』と伝えています」といいます。「強制ではないので、貼りたくないという人もいる」そうです。
沖縄をはじめとする各地の動きを受け、東京都レンタカー協会(東京都千代田区)も2017年4月より「東京にまつわる図柄」(同協会)を描いたというデザインのマグネットステッカーを作成し、加盟事業者に配布しているといいます。同協会は「レンタカー貸出件数の増加にともない導入しました。貼っていただくのは強制ではありませんが、今後ステッカーの存在を周知していきたい」としています。
国土交通省の資料によると、レンタカーを利用した訪日外国人は2015年に約70万5000人。5年間で約4倍に増えたそうです。日本政府観光局が2015年に香港で約1000人へ実施したアンケートでは、免許取得者の7割以上が日本でドライブをしたいと答えている一方、経験者の約1割が、「交通ルールや標識がわかりにくい」と答えたといいます。
沖縄県レンタカー協会は、「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日旅行者のレンタカー利用はさらに増えるので、今後も施策が必要」だと話します。
ちなみに、訪日外国人が日本でクルマを運転する場合、日本の免許証または「道路交通に関する条約」(ジュネーブ条約)に基づく国際免許証、あるいは、ジュネーブ条約に非加盟ながら特に認められている国や地域で発行された外国人運転免許証(ドイツ、台湾など)が必要です。
【了】
提供:乗りものニュース