国産自動車メーカー各社で不正発覚! トヨタ、マツダ、ホンダ、スズキなど… トヨタは現行車を一時出荷停止に
現在トヨタが販売中の「ヤリスクロス」「カローラ フィールダー/アクシオ」の車両認証の不正が明らかになり、出荷・販売が停止されました。さらに、マツダ、ヤマハ、ホンダ、スズキでも不正が発覚しています。
生産中3車種、生産終了4車種において不正発覚
トヨタは2024年6月3日、日本国内で生産中の3車種について、一旦、出荷・販売を停止することを決定しました。
トヨタによると、2023年1月26日の国土交通省からの指示に基づいて型式指定申請に関する調査を進めていました。
現時点で調査の途中ではあるものの、2014年以降、すでに生産を終了しているものも含め、7車種において国が定めた基準と異なる方法で試験を実施していたことが判明。その旨を5月31日に国土交通省に報告しました。
対象となるは、生産中の「ヤリスクロス」「カローラ フィールダー/アクシオ」の3車種における「歩行者・乗員保護試験のデータ不備」と、生産終了した「クラウン」「アイシス」「シエンタ」、レクサス「RX」の4車種における「衝突試験などの試験方法の誤り」です。
対象となる車両は、すでに生産を終了しているものも含め、トヨタ社内での徹底的な検証において法規に定められている性能に問題がないことを確認しているといい、使用をただちに控える必要はないとのことです。
なお、国土交通省の指導のもと、速やかに立会試験などの適切な対応を進めているとしています。
本件に関して、トヨタは次のようなコメントを発表しています。
「トヨタをこれまで信頼いただいてきたお客様、ステークホルダーの皆さまに、ご心配、ご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。
先般、認証に関する問題が発覚した日野自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社、株式会社豊田自動織機に引き続き、トヨタで問題が判明したことは重大なことと受け止めております。
本年1月にグループビジョン『次の道を発明しよう』を発表しました。トヨタらしい企業風土である、現場が主権をもった『もっといいクルマづくり』に取り組んでまいります」
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ダイハツ工業などの不正事案を踏まえ、国土交通省は、型式指定を取得している他の自動車メーカー、装置メーカーなど85社に対し、型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査・報告を指示していました。
5月末時点で報告があった不正行為の内容は以下のとおりです。
トヨタ(※調査継続中のため、現時点で判明している不正行為のみ)
・現行生産車3車種について、歩行者保護試験における虚偽データの提出等
・過去生産車4車種について、衝突試験における試験車両の不正加工等
マツダ
・現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換え
・過去生産車3車種について、衝突試験における試験車両の不正加工
ヤマハ
・現行生産車1車種について、騒音試験における不適正な試験条件での実施
・過去生産車2車種について、警音器試験における試験成績書の虚偽記載
ホンダ
・過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載等
スズキ
・過去生産車1車種について、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載
国土交通省は、不正行為の報告があった5社に対し、以下のとおり指示しています。
・国土交通省が基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷を停止すること(現行生産車について不正行為の報告があったトヨタ、マツダ、ヤマハに対する指示)
・最終的な調査結果を速やかに提出すること(調査継続中のトヨタに対する指示)
・ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めること
また、国土交通省、今後、以下のとおり対応するといいます。
・不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う。
・国土交通省および(独)自動車技術総合機構において、不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認する。
・立入検査および基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処する。
トヨタの歩行者保護の不正について、厳しい条件での結果を報告していたとのことですが、不正車種にはシエンタも含まれます。シエンタはボンネットが立っているので、打点角度は50度の方が厳しい条件になります。にも関わらず、一括りで厳しい条件と言い切るのは不正体質が抜けてない証拠ですね