千葉にある謎の「20年以上放置されたトンネル」とは!? バリケードで完全封鎖 「完成したのに通行不能」を招いた「グチャグチャ」な現地状況

すでに完成から20年以上経っているのに、今も未開通の状態が続いているトンネルが、千葉県の房総半島にあります。なぜそのような、もったいない状態になってしまったのでしょうか。

完成したのは24年前

 すでに完成から20年以上経っているのに、今も未開通の状態が続いているトンネルが、千葉県の房総半島にあります。
 
 なぜそのような、もったいない状態になってしまったのでしょうか。

とっくに完成しているのに通れないトンネルとは(イメージ画像:写真AC)。
とっくに完成しているのに通れないトンネルとは(イメージ画像:写真AC)。

 せっかく完成したトンネルが長年放置状態になっているのは、南房総市冨浦から内陸部へのびる、東西道路の「安房地域広域農道」です。

 海沿いの国道127号からほぼまっすぐ東進し、山を越えて県道犬掛館山線と交差し、さらに山を越えて上滝田地区で富津館山線に接続するルートです。将来的には国道410号まで到達する計画です。

 1995年の着工から、一部をのぞき、まだ未開通部が多く残っています。

 東仲尾沢トンネルは、着工した東端に近い、富津館山線へ抜けてくるすぐ手前のトンネルで、延長602m、完成は2000年です。

 問題はそのトンネルの西側にあります。用地取得しようにも、法務局の公図がグチャグチャで現地と整合性が取れない「公図混乱」の状態になっているのです。欲しい現地の土地が、公図上で誰のものかを判別するのが非常に困難で、誰からいくら買えばいいかが全く計算できないというわけです。

 解決するには、関係する地権者を全員集めて協議する必要がありますが、スムーズに進んでいません。ほかにも、相続未登記の状態が用地取得のネックになっているケースもあるそうです。

 工事を担当する千葉県安房農業事務所は2022年の事業審議会で「継続的に地権者と交渉する」としながらも、いっぽうでいよいよ根本的な対処として「新たな路線の検討を行う」ともしています。

 新ルートは現計画の川沿いのものから、北側へスイッチしたもので検討されます。なお新ルートも東仲尾沢トンネルを通るため、作ったきり放棄されるということはありません。

 ちなみに、国道127号から伸びる部分は、2023年9月にめでたく開通。西半分の犬掛館山線までの区間が全通を果たしました。

 あとは、東仲尾沢トンネルを含む東半分の開通へ、本腰を入れて取り組むこととなります。未だに封鎖されたままずっとクルマを待つこの未供用トンネルは、いつ日の目を見ることになるのでしょうか。

【画像】えっ…!?これが千葉の「24年間放置されたトンネル」の場所です。まずは地図でチェック!(画像)(17枚)

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2件のコメント

  1. こちらは岐阜県民ですが、安房やら丹生(川)やら共通する地名があり、親近感を持ちました。
    ただし、住民生活の向上の為に団結してスパッと完成させようとする住民の姿勢が無いような点が残念ですね。

    設計段階(机上時点)に反対住民所有地、保全対象地等わかってるはずなのに。

    遠く岐阜の地から反面教師とさせていただきます。

  2. 公図に載っていないなら全部国有地 県有地として接収すればいいじゃん。
    法的に誰のものかわからんけど手放したくないとか訳のわからん主張を放置すると何も進まない。

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