MT&ターボエンジン搭載! 日産「流麗スポーツハッチ」あった!? 全長4.3m“流麗デザイン”×「上質内装」採用! 登場期待された「若者向けモデル」とは
日産が2005年に公開した「スポーツコンセプト」とは、どのようなモデルなのでしょうか。
上質内装にMT採用! 若者向け「スポーツハッチ」 登場は叶わず
国内外のモーターショーでは、期待のニューモデルや新時代を予感させるコンセプトが登場しますが、なかでもスポーツカーのコンセプトは、特に市販化を求める声が多く寄せられ、登場が多いに期待されるモデルも多くあります。
日産が2005年に発表した「スポーツコンセプト」も、発表当初は登場が期待されたモデルでした。
スポーツコンセプトは2005年に米国ニューヨークで開催された「ニューヨーク国際オートショー(NYIAS)」で世界初公開された3ドアハッチバックのコンセプトカーです。
当時の日産によると、「スポーツチューナーカーのようなデザインと走りを提供しながら、初めてクルマを購入する若年層のユーザーにとって、手頃な価格で購入できる」モデルだと言います。
ボディ構造には金属とカーボンファイバー複合コンポーネントの両方が用いられ、軽量かつ高剛性を実現。
エクステリアは流麗なボディラインにレーシーな意匠を組み合わせたもので、フロントは2つのプロジェクターを組み合わせたシャープなヘッドライトやアグレッシブな開口部のバンパーを装着。
20インチの大径ホイールを装備したほか、ボディサイドのダイナミックに膨らんだワイドな前後フェンダーや、小ぶりなドアミラー、フロントフェンダーエンド部のエアアウトレットがスポーティさを主張していました。
リア周りは大型リアスポイラーに加え、ディフューザー形状のリアバンパーロアには縦配置の2本出しマフラーを装備し、走行性能の高さを予感させます。
なお、エクステリアの大部分は、当時日産が販売していたプレミアム5ドアハッチバック「ティーダ」と共通性を感じさせますが、上質な仕立てのティーダに対しかなりスタイリッシュで、「アニメやゲームに登場するモデルのようなスタンスを表現した」と説明されていました。
ボディサイズは全長4350mm×全幅1805mm×全高1500mm、ホイールベースが2600mmです。
インテリアは大人4人がしっかり移動できるように設計されていますが、フロント2席が主軸に置かれ、スポーツコンセプトのドライビング体験を享受できるようになっています。
フロントシートはライトグレーのバケットシートが備わり、「NISMO」のロゴがあしらわれた4点式シートベルトを装着。その一方で、素材にはレザーとスエードを用いるなど、上質な印象も与えます。
インパネやナビゲーションの操作パネルはレッドの照明で、メーターはタコ・スピードともに6時開始位置に設定。ペダルもアルミとなっているほか、ステアリングやセンターコンソール、ドアトリムなどにポリッシュ加工のアルミパネルを装備するなど、スポーティな雰囲気が表現されています。
リアシートも独立式で、フロント同様に4点式シートベルトが装備され、シェルフには大型のスピーカーを設けるなど、ドライビングを楽しむ若者らしい装備も特徴です。
パワートレインの詳細は一切明かされていませんが、メーターを見ると過給器メーターが備わっており、3ペダルであることから、ターボとMTトランスミッションを組み合わせ、キビキビ走れるようなものであることが推察できます。
コンセプトカーとしては比較的現実味を帯びた、まとまったスタイリングであり、ベースとみられるモデルも量産車のティーダであったことから市販化について期待が高まりました。
当時の北米日産 製品企画担当バイスプレジデントであるジャック・コリンズ氏も「日産は小型車セグメントについて大きく考えており、そう遠くない将来に日産のショールームに並ぶであろうクルマでもあります」と話しており、登場が“秒読み”かと思われていました。
しかし、公開から20年近く経過した現在も、直接的な市販モデルは登場していません。
なお、スポーツコンセプトは、SFアニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」に登場。2005年の米国デトロイトショーに出展された「インフィニティ クラーザ」も描かれました。
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その一方で、ベースのティーダには1.8リッターエンジンに6速MTを組み合わせるスポーティなモデルが設定されたほか、現行車では上質かつスポーツ性を追求したコンパクトハッチバック「ノート オーラ NISMO」がラインナップされています。
こうしたモデルに加えて、免許を取ったばかりの若者でも買いやすく、スタイリッシュにまとめたデザインを採用し、クルマを操る歓びを楽しめるようなエントリースポーツモデルも登場に期待したいところです。
ティーダかと思った。
初代ティーダも、嫌いでは無かったので悪くはないが、新鮮味を感じない