なぜ「トナラー」現れる? あえて「隣に停める」のは故意か偶然か… 駐車場「ガラ空き」なのに“わざわざ”隣に停める人の心理とは?

完全に防ぐのには無理がある?

 公共交通機関でも、車内が空いているのに、あえてとなりに座ってくる人がいます。

 先程の心理士に聞いてみると次のように話します。

「人には自分を中心として両手を広げたぐらいの空間である『パーソナルスペース』をキープしたい気持ちがあります。

 このパーソナルスペースを他人から侵入されるとストレスを感じます。

 しかし、満員電車やエレベーターの中など、どうしてもパーソナルスペースを確保できない時は、周りの人をモノとしてとらえる『没人格化』のメカニズムが働いて、不快感をやり過ごすことができます。

 ただし、このメカニズムが維持できる時間は人によって大きく違います。

 飛行機や新幹線の隣座席のように長時間でも全然気にならない人もいれば、ひどくストレスを感じる人もいます」

完全に防ぐことは不可能か[画像はイメージです]
完全に防ぐことは不可能か[画像はイメージです]

 つまり、がらがらの電車や映画館、レストランで、あえて隣に近づいてくる人はこのメカニズムの没人格化が長い人ともいえます。

 人へのトナラー対策としては、あえて後から来る人と目が合う位置に自分がいることで近づかれることを予防できるようです。

 人は目が合うと威嚇された気持ちになり、自然に避ける傾向があるため、近づきにくくなるからです。逆に背を向けていたり、横向きだったりするとパーソナルスペースに侵入される可能性は高まります。

 では、自分でできる車のトナラー対策はあるのでしょうか。

 まず1つ目が「片側を壁際に寄せて停める」です。停める際に、片側を壁や縁石など、隣に停められない箇所に寄せて停めれば、その側からはトナラーされる心配がありません。片側はトナラーの侵入を防げます。

 2つ目が「停めにくい場所を選ぶ」こと。わざと駐車が難しい場所やスペースを選び、後から来る人には停めにくい位置に停めておくことで、トナラーを防げる可能性があります。ただし、自分の運転スキルが必要です。

 そして3つ目が「1台しか停められない場所に停める」。1台分のみの駐車スペースを見つけて停めれば、そこにはトナラーされません。

 しかし、こういった対策を施しても、隣に駐車スペースがあれば、トナラーが完全に防げるわけではありません。結局のところ、後から来る人次第なので、対策には限界があります。

※ ※ ※

 完全には防げないトナラーですが、心理士の話では「トナラーされた時は、あまり気にしないことが大切です」と話します。

 防ぎようのない事象であるため、「なんでわざわざ隣に停めやがったんだ!」とイライラするのではなく、「ああ、きっと隣に停めたい気分だったのだろう」と受け入れる心構えも大切だそうです。

 クルマを大事にしている身としては、少しでも傷付きなどのリスクを減らしてきれいに維持したいのでやはり遠くに停めておきたいですが、寛大に捉える気持ちも必要なのかもしれません。

【画像】「えっ…」 これが「トナラーを防ぐ方法」です! 画像で見る

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