5ナンバーサイズの「小型ミニバン」なぜ異様に売れる? トヨタ「シエンタ」&ホンダ「フリード」が絶大な支持を集める理由
「シエンタ」が幅広い層にウケているワケとは?
シエンタも事情は似ています。現行シエンタは2022年8月に発売され、2023年は小型/普通車の車名別登録台数ランキングで、1位のヤリスシリーズ、2位のカローラシリーズに次いで3位に入りました。
しかもヤリスやカローラは“シリーズ”の登録台数を合計した数字となっており、単一車種ではシエンタが小型/普通車の実質的な1位だといえるでしょう。
シエンタは2024年に入っても売れ行きをあまり落とさず、今に至っています。
販売店でシエンタの人気について聞いてみました。
「シエンタの人気は根強いです。ミニバンは背が高いため、外観を見たり運転すると、全長や全幅の割にボディが大きく感じます。
そのためにミニバンに不慣れで、『ノア』などのミドルサイズミニバンの運転に不安を感じるお客様は、コンパクトなシエンタを選ばれます。
また2人目の子どもが生まれ、ヤリスなどのコンパクトカーでは車内が狭くなり、シエンタに乗り替える人もいます。
『ルーミー』もスライドドアを備えていますが、ハイブリッドや3列シートが必要な場合はシエンタが選ばれています」

このほか中高年齢層の夫婦に孫ができて、自宅へ遊びに来た時のためにシエンタを買うこともあります。子どもの家族が新幹線や飛行機で帰省し、近所に出かける時に3列シートのシエンタを使うのです。
ノアや兄弟車「ヴォクシー」からの乗り替えもありますが、シエンタはもっと幅広い用途で選ばれているそうです。
現行シエンタの開発者は「全長の4260mm、全幅の1695mmは守らねばなりません」といっており、ボディサイズにこだわったことが伺えます。そして、シエンタのユーザーはちょうど良いサイズに魅力を感じ、人気を得ています。
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シエンタとモデルのフリードは、運転しやすいサイズや、その割に広くて使いやすい室内、求めやすい価格により、息の長い人気を得てきました。
見方を変えると、この2車種の好調な売れ行きは、今のノア&ヴォクシーやステップワゴンが3ナンバー専用車になり、高額化したことに対するユーザーの不満の裏返しともいえるでしょう。
予算の範囲内で使いやすいミニバンを探すと、必然的にシエンタやフリードに行き着くのです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。







































































