日産「超コンパクトなGT-R」!? 全長4.1m級で“600馬力”のV6ツインターボ搭載! まさかの「市販化」も実現! 過激すぎる「レアモデル」とは
日産のコンパクトSUV「ジューク」にスーパースポーツモデルの心臓を搭載した「超ド級」なモデルが存在します。一体どのようなクルマだったのでしょうか。
まさに「コンパクトGT-R」!? 市販された激レアモデルとは
日産のコンパクトクロスオーバーSUVとして、2010年6月に日本国内での販売が開始された初代「ジューク」。
全長4.1mほどのコンパクトサイズながら、デビュー当時は奇抜なスタイルが賛否を巻き起こしましたが、気づけば幅広い層のユーザーに受け入れられ、2019年末までの9年強という長いモデルライフを誇りました。
残念ながら、2019年に登場した2代目モデルは日本への導入はされていませんが、初代には「NISMOロードカー」シリーズの第1弾となる「NISMO」グレードも2013年に追加され、2014年11月には更なる進化を果たした「NISMO RS」が登場。
これらはスポーティさも合わせ持つクロスオーバーSUVとして、中古市場などでも未だに人気の1台となっています。
そんなジュークにはNISMOのさらに上を行く過激なホッテストモデルが存在しました。それが2011年10月に発表された「ジュークR」なるモデルです。
このジュークRは、欧州日産がレーシングコンストラクターのレイ・マロック・リミテッド社とタッグを組んで作り上げたもので、“R”の名前が冠されていることからも分かるように、日産を代表するスーパースポーツである「GT-R」(R35型)のパワートレインを移植したもの。
心臓部には2010年型GT-Rに搭載されていた3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジン「VR38DDTT」型で、日本仕様では485PSを叩き出すスペックを誇ります。
トランスミッションもGT-Rの6速デュアルクラッチトランスミッションが採用され、リアトランクアクスル構造であることも同一。
もちろん駆動もGT-R譲りの4WDとなっており、ブレンボ製のブレーキシステムやRAYS製のアルミホイールなど、走りにまつわる部分は全てGT-Rのものが搭載されていました。
また、インテリアもGT-Rのダッシュボードやマルチファンクションディスプレイ、ステアリングやメーター類が移植されており、まさにジュークの皮を被ったGT-Rといったスペックとなっています。
ただボディ自体はジュークのものを使っていたため、大パワーに対応できるように補強が施されたほか、レーシングカーばりのロールケージやフルバケットシート、5点式のシートベルトなどが追加され、車両重量はGT-Rよりも重い1800kg台となっていました。
このジュークRは当初、ワンオフのスペシャルモデルとして発表されましたが、2012年5月に限定生産で販売することを発表。市販モデルは550PSまで最高出力が高められた2012年モデルのGT-Rのパワートレインが使用されるとアナウンスされていました。
当時の価格は50万ユーロとされており、発表当時のレートで日本円にするとおよそ5000万円、現在のレートでは8000万円超のまさにスーパーカー並みのもので、一説には3台が市販されたと言われています。
そして2015年6月に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは「ジュークR 2.0」をお披露目。
このモデルは「GT-R NISMO」に搭載される600PSを発生するエンジンを搭載し、新たなデザインの空力パーツなどを備えたアップデートモデルとなっていましたが、残念ながらこちらは市販化のアナウンスはされることはありませんでした。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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