なぜバスには「ヘッドレスト」が無い? 身体を守る“安全装置”なのに…どうして!? 理由を「国土交通省」に聞いた!
交通事故に遭った際に、むち打ちなどを防ぐ「ヘッドレスト」。しかし乗用車では義務化されているにも関わらず、路線バスでは設置されないことも少なくありません。なぜなのでしょうか。
バスには「ヘッドレスト」が無い!? その理由は
乗用車の座席には、後頭部が当たる場所に「ヘッドレスト」が設置されています。
この「レスト」と言う言葉に「rest(休憩)」をイメージする人もいるかもしれませんが、実際のところは「restraint(拘束)」という言葉が省略されたもの。
つまりヘッドレストとは「頭を拘束する装置」で、シートベルトと同じように交通事故に遭ったときに身体を保護し、衝撃で首が後ろに倒れてむち打ちを起こすのを防いで被害を小さくするのです。
そんなヘッドレストの主流となる形式は、シートに差し込んで位置を上下に動かすことができるタイプ。乗員の座高に合わせて適切な位置に固定することが可能です。
適切な位置に調整する際は、ヘッドレストの頂上部と頭の頂上部が同じ高さになるように調整するのが一般的で、眼鏡をかけている場合は、眼鏡の“つる”とヘッドレストの中心部が同じ高さになるように合わせると問題ありません。
座高やクルマの種類によっては調整しづらいかもしれませんが、安全のためにも可能な限り理想の位置に設置するのがポイントです。
また、適切なヘッドレストの位置で正しい運転姿勢をとれていれば、自然に頭とヘッドレストの隙間がなくなるため、頭とヘッドレストの間に隙間が無い方が、正しい運転姿勢をとることに成功しているとも言えます。
そんなヘッドレストですが、乗用車では基本的に外すことは認められておりません。
もしヘッドレストを外していると、道路運送車両の保安基準第22条4号の違反となり、罰則こそはないものの保安基準に適合していないクルマとみなされ、厳重注意されることがあります。
さらに、事故に遭った場合には保険が適用されない可能性もあるため、ヘッドレストは必ず設置するのが望ましいとされています。
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