バスの乗客が転んだら誰の責任? 現実は「運転士&会社のせい」… 危険を避けるためでもなぜ「バス側」が悪い? 運転士“なり手不足”原因のひとつか
バス運転士「なり手不足」とする見方も
このように、バス車内の転倒事故は、必ずしもバス運転士の責任になるとは限らないようです。
しかし、現実にはほとんどの場合でバス運転士やバス会社が責任を問われ、ケガの治療費や賠償金を支払うことも少なくありません。
乗客がつり革や手すりにつかまっていなかったり、バスが完全に停止する前に席を立ったりして、安全注意をおこなえていなかったことが確認できれば賠償金が減額されることもあるようですが、道路交通法上ではバス運転士の責任はゼロにならないのです。
一方で、車内アナウンスに従わなかった乗客が転倒した場合、バス運転士に責任が問われることに疑問を感じるという意見も多くあります。
近年では、バス運転士のなり手不足が問題視され、バスが減便になったり、路線自体を廃止したりする事業者も増加しています。
そんなバス運転士不足に拍車をかけるとされているのが、「2024年問題」です。
2024年問題とは働き方改革の一環で、バス運転士の年間労働時間の上限が3300時間に引き下げられるほか、退勤から次の出勤までの休息時間を現状の規定より長く確保することなどが定められています。
バス運転士のなり手不足は今後も続き、2030年度には9万3000人まで減少し、3万6000人のバス運転士が不足する見通しのようです。
一方で、割に合わない賃金や連日勤務といった労働条件などの問題だけではなく、バス車内転倒事故時の責任の大きさも関連しているのではないかとする見方もあります。
この責任の有無についてはまだまだ議論の余地があると言えるかもしれません。今後は少しでもバス運転士が増えるような取り組みが望まれます。
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バス運転士は安全運転を心がけているものの、何かしらの理由で急停止または急発進してしまうこともあります。
そのため、乗客としてバスに乗車する際は、つり革や手すりにしっかりとつかまり、完全に停止するまで席を立たないということを強く意識する必要があると言えるでしょう。
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