日本初! 世界最速決める「市街地レース」ついに開幕 東京・有明がレースの舞台に大変貌「フォーミュラE」いま現地で何が起こっているのか

日本初の国際レース大会の「市街地サーキット」のレースが、東京ビッグサイト周辺で2024年3月29日~30日に開催されます。いよいよ始まったレースウィークの会場はどうなっているのでしょうか。

公道上を300km/h越えのマシンが走る

 日本でついに今週末、「国際フォーミュラ大会の市街地レース」が実現します。
 
 EV版のF1となる「フォーミュラE」のシーズン10、第5戦「東京 E-Prix」が2024年3月29日に開幕、翌30日に決勝(本戦)が行われます。
 
 東京に現れた「街のなかのレース会場」は、いったいどんな様子なのでしょうか。

東京ビッグサイト内に設置された「フォーミュラe」のメインストレート
東京ビッグサイト内に設置された「フォーミュラe」のメインストレート

 市街地を「世界最速レーシングカー」が爆走する風景は、昔から国際レースの風物詩となってきました。その代表格が、フランス南部の地中海に面した「モナコ公国」で行われる「モナコグランプリ」です。

 普段は生活道路のような趣きで、狭隘で急勾配・急カーブの連続するモンテカルロの路地を、クラッシュなど怖くないと言わんばかりに、レーサーは平均速度150km/h、最高速300km/h近くの超高速で周回していきます。まさに「頭のネジが何本も吹っ飛んでいないとできない芸当」と言われる所以です。

 ほかにもジュニアレーサーの登竜門のひとつ「マカオグランプリ」などがありましたが、さらに近年のF1ではエンタメ性の高さに目を付けて、徐々に市街地レースが増えつつあります。2024年のF1でも、サウジアラビア・モナコ・アゼルバイジャン・シンガポール・ラスベガスなど百花繚乱の状況です。

 そんななか、日本では市街地レースは行われてきませんでした。公道を遮断することに対する許可や騒音問題など、越えるべき壁はいくつもあり、気軽に開けるものではなかったのです。

 しかし、2020年に島根県江津市で「日本初の公認市街地レース」が、カート大会という形で実現。2021年には、衆議院議員となった元F1ドライバーの山本左近さんを中心に自民党の「モータースポーツ振興議員連盟」が発足し、開催への機運が高まっていました。そして今回、フォーミュラeの東京大会の開催に漕ぎつけたのです。

 さて、いよいよ開幕日を迎えた東京会場。東京ビッグサイトの敷地周辺を周回する約2.6kmのコースで、公道部分は東館の北側と西側の道路です。交差点の頭上では、ゆりかもめが直角カーブし交差していきます。

 東側の海に面した広い駐車場が、メインストリートとスタンド、そして細かいターンが連続するテクニカルコースの区間。ビッグサイトの他のイベントでは、膨大な入場待機列が展開されるエリアです。

 荒れ狂う暴風雨の金曜日午前。有明駅を下りて真っ先に目に入ったのは、ビッグサイトをぐるりと取り囲むフェンスです。

 そして興奮したのが、そこにサーキットを象徴するスポンサー看板や、衝撃吸収バリア、セーフティカー主導状況を示す「SC」の電光表示板が並んでいること。まぎれもなくここでレースが行われるのだという実感が沸き起こってきました。

 ビッグサイト東館内では、チームスタッフやコースマーシャル(サーキットスタッフ)が入場し、慌ただしい雰囲気となっています。

 館内からホームストレート方面へ出ようとした瞬間、突風で傘が壊れ「オーマイゴッド…」と嘆くスタッフや、全身ずぶぬれになってガレージへ向かうメカニック。F1でも日本グランプリはよく大雨に見舞われますが、今回もさっそく”洗礼”のような天気でした。これでも午後には一転快晴となり、そのまま土曜の決勝も迎えそうのですから、これもドラマのひとつと言うべきでしょうか。

 それでも、チームスタッフたちの世間話を横で聞いていても「ここは東京だぞ!」などとテンションが上がっている様子。世界的にも、あの日本の首都「東京」の街を舞台にレースができることは、興奮のイベントなのでしょう。

 コースを見渡すと、「言われてみれば確かにサーキットだ」という、絶妙な形状になっています。公道部分は平たんではなく微妙なアップダウンがあり、直角コーナーばかりと思いきや、ビッグサイト北東のカーブはかなりの速度で通過できそうな緩やかな曲線半径になっています。西側公道部も全開近くで抜けられそうなスラロームです。

 面白いのは、普段ドライバーに方向や目的地を知らせる、青色の「案内標識」がそのままになっていること。世界全体が注目する国際レースの中継に、爆走するフォーミュラカーとともに日本語の標識が大きく映り込むこととなり、まるで芸能人が自宅に上がり込んできたときのような、日常が非日常になる不思議な感覚にとらわれるかもしれません。

 12時半から、東7ホールのメディアセンターでチーム代表とドライバーの会見が始まりました。見慣れたいつものビッグサイトの一角に簡易のステージと椅子を置いただけの会見場ですが、そこでは長いシーズンへの展望と、そのひとつである東京大会について、それぞれ熱い決意の言葉が紡ぎだされていました。

 金曜日の午後は、サーキットに合わせたセッティングの確認などをおこなうフリー走行が行われ、土曜日午前に2回目のフリー走行と予選、そして15時から約1時間にわたる決勝レースが行われます。

【画像】えっ…!? これが有明に出現した「東京市街地サーキット」の様子です(30枚以上)

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1件のコメント

  1. コース作るのにわざわざ交通規制かけて一般市民の仕事の邪魔をした
    コース見たらそんなにいい感じのコースでもない…わざわざコース外の規制かける必要あったか?

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