知らなかった!? クルマの燃料「軽油」は凍る! 「ディーゼル車」で寒冷地への移動は要注意! 凍結防止する方法は?

ディーゼル車の燃料として使われる「軽油」は寒いと凍るという特性があります。冬に都市部から寒冷地へ出かける際は凍結防止の対策が必要となりますが、どうすれば良いのでしょうか。

軽油が凍らないようにするにはどうする?

 冬の寒い朝など、クルマのフロントガラスやボディが凍っていることがあります。エンジンをかけてクルマを暖気したり、解氷スプレーやヘラなどで取り除くなど、苦労した経験がある人もいるでしょう。
 
 実は、クルマが凍ってしまうという現象はガラス部分やボディだけに起こるものではありません。エンジンを動かすのに必要な燃料も凍ることがあるのです。

寒いと「軽油」が凍っちゃう!
寒いと「軽油」が凍っちゃう!

 とはいえ、すべての燃料が凍るのではなく、これはディーゼル車の燃料である「軽油」の話。

 軽油は寒くなると凍ることがあるので、ディーゼル車のユーザーは凍結しないように気を付けなければなりません。

 では、軽油が凍るとどうなるのでしょうか。

 石油類の精製・販売などを行うメーカーは、「軽油の凍結は、軽油中にあるワックス分が存在し、低温になると結晶が分離します。この結晶が多いと燃料ポンプのフィルターが詰まってエンジンがかからなくなります」と説明しています。

 氷のようにカチコチに凍るというより、シャーベット状態をイメージすると良いでしょう。そうなると燃料フィルターやインジェクター、燃料パイプ内を軽油が流れにくくなるためエンジンがかからなくなるのです。

 もし軽油が凍った場合は、一般的には外気温が上がって溶けるのを待つしかありません。気温の上昇を待ち、エンジンがかかるようになってから最寄りのガソリンスタンドで給油します。

 ただし、あまりにも凍ってしまってどうしようもない場合は、無理をせずロードサービスを利用するほうが賢明です。

 日本で流通している軽油にはいくつかの種類が存在しており、主に、クルマのディーゼルエンジン用燃料、発電、農業・建設機械用、ボイラーなどの加熱用燃料などがあります。

 そして、クルマに使われる軽油にも種類があり、IS規格により「特1号」「1号」「2号」「3号」「特3号」に分類されています。

 それぞれ凍結する温度が異なり、凍結温度の目安は特1号が5度、1号が-2.5度、2号が-7.5度、3号が-20度、特3号が-30度といったように、号数が増えるほど凍結温度が下がり、凍りづらくなるのです。

 例えば、12月から3月にかけて、関東地域では-7.5度まで凍らない2号が販売されており、中部地方の山岳地帯では-20度まで耐える3号、北海道ではより凍りにくい特3号が販売されるなど、地域の気候を考慮した軽油が販売されています。

 ちなみに、ガソリンの凍結点は-100度と言われており、基本的に凍結の心配は不要だと言えます。

 冬でも比較的温暖な太平洋側では、日常的に使う分には軽油が凍ることはないかもしれませんが、注意しなければならないのは地域を移動する場合でしょう。

 都市部からウィンタースポーツで山岳部へ出かけるときや降雪地帯へ旅行するときなどより寒い地域へ行く際、出発地の号数が低い軽油を入れたままで移動して、出先でクルマを長時間停めると凍りやすくなるのです。

 軽油が凍結しないようにするには、適切な対策をとる必要があります。

 その対策とは、「現地で販売されている寒冷地用の軽油で給油すること」です。

 ディーゼル車を多く設定するマツダの取り扱い説明書では次のように明記されています。

「ディーゼル車の場合、寒い時期は普通の軽油では凍ってしまうおそれがございますので、寒冷地へ移動する時は現地に着くまでに燃料の残量が1/2以下になるようにしておき、到着後はできるだけ早く寒冷地用の燃料を補給してください」

 具体的な方法としては、スキー場やホテルなどに到着する直前に、現地のガソリンスタンドで販売されている軽油を給油するのがおすすめです。

 また、冬場は高速道路のサービスエリアに併設されるガソリンスタンドでも寒冷地用の軽油を販売しているので、ドライブプランを練るときに、どこで給油できるのか確認しておくと良いでしょう。

※ ※ ※

 クルマを運転している間はエンジンが動いて温まっているので、軽油が凍ることはほとんどありませんし、休憩など短時間の停車であれば軽油が凍る心配をしなくて良いでしょう。

 また、寒冷地に行けば必ず軽油が凍るかといえば、一概にそうとも言い切れず、環境次第といったところでもあります。

 ただし、目的地に到着するまでには、事故や渋滞、雪による立ち往生など、予期せぬアクシデントが起こる可能性も否定できません。

 現地で給油することを目的に、あまりにも少ない燃料で出発するのは避けるべきです。いざというときに困らないためにも、寒冷地への移動はしっかりとしたドライブ計画を立てたうえで実施しましょう。

【画像】「え…!」 意外! これが「給油口の奥の構造」です! 画像を見る(26枚)

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1件のコメント

  1. 志賀高原ふもとで現地軽油50L以上入れ満タンにして山に入り、爆弾低気圧の中2晩駐車していたらエンジンがかかりませんでした。車は2代目エクストレールのディーゼルでしたので、エンジンルーム内にある燃料切れ時の手動ポンプを数回手で作動させたら、すぐにエンジンがかかりました。5年以上スキー行きで乗りましたが、初めで最後の経験でした。

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