なぜ「案内標識」に「方角」表示ある? 全国でも珍しい「方位記号」の謎 奈良県に点在する背景とは
全国的に珍しい「方角」が表示された案内標識が設置されています。なぜ方角の入った案内標識が導入されたのでしょうか。
なぜ方位記号が書かれているのか
奈良県内の道路には、全国的に珍しい「方角」が表示された案内標識が設置されています。
なぜ方角の入った案内標識が導入されたのでしょうか。
クルマで街を走っていると、さまざまな道路標識が目に入ります。
道路標識には大きく分けて案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識という4種類があり、案内標識は目的地や通過地の方向、距離などを示し、警戒標識は「落石のおそれあり」、「動物が飛び出すおそれあり」などのように注意深い運転をうながすものです。
さらに規制標識は禁止や規制、制限を知らせる標識であり、「車両進入禁止」や「一時停止」、「車両通行止め」などの種類があります。
そして指示標識は通行する上で守るべき事項を知らせるもので、「横断歩道」や「安全地帯」などの標識が代表的です。
このようにさまざまな道路標識がある中、SNS上においては「奈良県の道路にある案内標識には方角が描かれているけど何故だろう?」、「方角の入った標識は全国でもなかなか見ない」などの声が複数寄せられています。
実際に奈良県内の道路を確認してみると、すべての案内標識ではないものの、所々方角の表示された案内標識が設置されており、標識の角の部分に方角の北を示す「N」とコンパスの針のような図が描かれています。
では、一体なぜ案内標識に方角が表示されているのでしょうか。
この件について奈良県の国道を管理する国土交通省近畿地方整備局奈良国道事務所の担当者に話をうかがったところ、方角が表示された案内標識の設置場所および設置された経緯について次のような説明がありました。
「この案内標識は、奈良県内のうち国が管理する国道24号、25号、163号、165号(県も管理)と、県が管理する国道165号、166号、168号、169号、308号、309号、310号、370号をはじめ一部の県道上に設置されています。
案内標識に方角を表示するようになったのは、平成13年(2001年)に奈良県土木部(現在の県土マネジメント部)が策定した奈良県道路案内標識整備指針『やさしい奈良のみち案内』がキッカケです。
当時、幹線道路を多く管理していた奈良国道事務所も策定に参加していました。
国内外からの来訪者に向けたサービスの向上を図るため、誰でもわかりやすく、見やすい、かつ奈良らしい道路案内標識を設置する目的で指針が作られた結果、現在の方角が入った標識ができました」
つまり、奈良県へ観光に来た人々に向けて作られた案内標識だったというワケです。
この方角が表示された案内標識に対してはSNS上で、「方角が付いているのでめちゃくちゃ分かりやすい。全国展開してくれないかな」、「自分がどの方角に向かっているか分かるのは便利、ありがたい」など好意的な声が寄せられています。
最近ではスマートフォンやカーナビゲーションによる道案内が主流になってきているものの、目的地までの大まかな位置関係や方角を参考に運転するドライバーにとっては役立つ案内標識といえるでしょう。
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奈良県の国道に設置されている「方角入り」の案内標識は、奈良県を訪ねる人のことを考えてデザインされていました。
全国的にも珍しい標識であるため、奈良県に立ち寄る際にはチェックしてみると良いかもしれません。
京都、奈良は、歴史的に道路が方位方向に直行していることが多く、住人も東西南北を頭に入れて街を通行する習慣の人が多いの。
大阪でも、キタとミナミという土地勘は残ってるよね。
ところが東京のように網の目のようなツギハギ道路じゃ、方位勘は全くアテにならない。