日本一売れてる!? ホンダ「新型軽ワゴン」なぜ不動の1位? 大人気すぎる「N-BOX」12年間支持される理由とは

見た目は「キープコンセプト」でも「乗るとベツモノ」な新型N-BOXの秘密とは

 特に2代目(先代)と3代目N-BOXは、大げさにいえばほぼ「間違い探し状態」というくらいにイメージを受け継いでいます。

 でも人気があるデザインだったら、とりわけ変える必要がないともいえます。

 事実、N-BOXは2代目のモデル末期でも、販売の勢いがあまり落ちていませんでしたから、あえて変える必要はない、というのも納得の話です。

 さらに3代目は、インパネまわりがグッとすっきりした以外、インテリアもビックリするほどの大きな変更がないのも特徴と言っても良いのかもしれません。

左が2代目「N-BOX」(2017年-2023年)、右が3代目の新型「N-BOX」(2023年-)
左が2代目「N-BOX」(2017年-2023年)、右が3代目の新型「N-BOX」(2023年-)

 通常、軽自動車のフルモデルチェンジともなると、なにかしら新しい装備が登場することが多く、中には、確かにこれって今まで考えつかなかったけど「あったら便利かも!」というような、飛び道具的な新装備が盛り込まれてきたりするのを見るのも、楽しいものなんです。

 ところが、3代目N-BOXはそういうものを一切盛り込んでこなかったので、これもある意味「新しい形のフルモデルチェンジ」といってもいいのかもしれません。

 とはいえ、見た目はほぼ同じ、プラットフォームもパワートレインも同じで「いったいどこが変わったの?」と突っ込みたくなるくらいですが、実際に新型N-BOXへ乗ってみると、これがまったくの別物なことに驚かされます。

 どうやら、工場の組み立てレーンレベルで行うような、基本中のキの字のようなところ、要は組み立ての仕方のようなものが進化しているらしいのですが、やはり根幹(体幹?)が安定するとクルマって違うものなんだということを、まざまざと見せつけられたような気がしました。

 よく「〇〇と△△はプラットフォームが同じなのに何が違うのよ?」的な話がありますが、実はいちばん違いが現れるのはボディの「下ごしらえ」だと聞いたことがあります。

 共通のホワイトボディを受け取ってから、スポット増しなどで強化するなど、いかに仕上げていくかで出来上がりがまったく変わってくるそうなんです。

 これって例えば、肉じゃがを作るのにただ皮をむいて煮込めば煮崩れてしまうのを、キッチリ面取りして煮込めば、料亭で出てくるようなまったく煮崩れていない肉じゃがができる、なんていう「丁寧な下ごしらえ」と同様なのかもしれません。

 N-BOXの売れてる秘密って、実はそこにあるんじゃないのかと思う訳です。

 ふと冷静に考えると、他の軽自動車にできなくて新型N-BOXにしかできないことといえば、センタータンクレイアウトの採用による、リアシートの座面チップアップ機構くらいなんですから。

 他は各社が切磋琢磨を繰り返しながら、限られたサイズの中で使い勝手のブラッシュアップを常に重ね続けている状態。

 それよりも「とりあえず箱」、ユーザーさんが自由にアレンジできる“箱”を提供しますから、皆さん自由に遊んでくださいと、投げかけられている気がするのです。

 そして、ホンダ側ではきちんと走らせることと安全性は担保しますから、あとはご自由にどうぞ……というような「あえて狙った緩さ」が、ユーザーからウケているんじゃないかと思うんです。

 こうした狙いの成否については、これから1年後くらいに3代目N-BOXの販売結果が示されることで、再びはっきりと見せてくれることでしょう。

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Writer: 竹岡 圭

フリーランスのタレント&モータージャーナリストとして活動してきたが、2007年以降は芸能プロダクションに所属、タレントとしてさらなる本格的な活動を始める。現在、TVのワイドショーやバラエティ番組へのレギュラー出演、ラジオ番組のパーソナリティなどを務める。MCやレポーター、コメンテーターの他、イベントでのトークショーもこなすなど、多方面で活動中。雑誌・新聞・Webと幅広く執筆活動もしている。

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2件のコメント

  1. ダイハツ、スズキのハイトワゴンに比べ、男女区別なく乗れるからね。ここが強みの一つだと思う。
    只、他車に比べてコストかけ過ぎてるから、価格も高く設定してるけどね

  2. 価格が高くなったのに、質感が下がった新型NBOX。新型効果は竹岡さんが言おうが、ユーザーは見抜く。スペーシアが伸びそう。

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