今も減らない「クルマの盗難」 実は犯行間近の“予兆”があった!? 盗まれる直前に愛車に起こる「謎の現象」とは
自動車盗難は今なお多く発生しており、近年では国産スポーツカーが盗難される事例がよく見られます。しかし、盗難の直前には、予兆ともいえる現象が確認されます。どのようなことなのでしょうか。
クルマが盗難される!? 気をつけたい「合図」は
自動車盗難の件数は、ピークから比較して10分の1ほどにまで減っているものの、現在も全国で年間5000件以上が発生しています。
実は盗難被害の前には、その予兆ともいえる行為が確認されているといいます。どういうことなのでしょうか。
警察庁のデータによると、2022年のクルマの盗難認知件数は5734件で、ピークとなった2003年の10分の1以下まで減少しています。しかし、検挙率は45%ほどにとどまっており、半数以上は検挙に至っていない状況です。
盗難されたクルマは「ヤード」という作業所に運ばれ、ヤード内で解体されたり、コンテナに詰められて海外へ不正輸出されたりします。
警察庁によると、実際に日本で盗難に遭ったクルマの部品が海外で発見されているといいます。
ほかにも、カーナビなどのパーツを取り外して販売されたり、ナンバープレートを別のクルマに付け替えて、詐欺や強盗などの犯罪に悪用されたりするなどのトラブルに巻き込まれるおそれもあります。
近年は、1980年代から2000年代初頭の国産スポーツモデルが世界的に人気を博しており、高値で取り引きされていることから盗難されるケースも相次いでいます。
こういったクルマの盗難について、実は予兆ともいえる事象があることをご存じでしょうか。
フロントガラスとワイパーの間などにチラシが挟まっていたら、盗難の予兆かもしれないので警戒が必要です。
このチラシには「高価買取」「査定無料」などの文言とともに、連絡先として携帯電話の番号が書かれており、一見すると中古車買取業者のチラシのようです。
ところが、このチラシは買取業者を装った窃盗団が、盗難のターゲット車両にわざと置いていった可能性があるため、チラシの存在に気がついたらすぐに回収することが大切です。
もしクルマを頻繁に使う人であれば、チラシに気づいてすぐに取り除くでしょう。
しかし例えば休日にしか乗らない人など、クルマを確認する頻度の低い人は、チラシが何日も挟まれたままの状態になってしまうことも考えられます。
チラシがそのままになっているクルマは、管理や監視が疎かになっており、日常的にクルマに乗っていないことがわかるため、盗難してもすぐに気づかれる可能性が低く、逃げ切るまでの時間を稼げると判断されてしまうのです。
大切なクルマが盗難されないためには、日頃からクルマの状況を確認した上で、きちんと対策をしておく必要があります。
最も大切なのは、クルマから離れる時は必ずエンジンを切ってロックをかけることですが、警察庁のデータによると4台に3台はキーなしの状態で盗難にあっているため、それだけでは十分といえません。
例えば、衝撃や振動を感知して警報音を鳴らす盗難防止装置のほか、ハンドルロックやホイールロックのように物理的に固定する方法は、視覚的な効果に加えてクルマを盗むために手間や時間がかかることから盗難対策に有効だといわれています。
また、自宅駐車場であれば人の動きに反応して点灯するセンサーライトや、チェーン式のゲート、防犯カメラを設置すると良いでしょう。
自宅以外の契約駐車場を利用している場合は、防犯カメラや照明が設置された明るい駐車場や、周辺からの見通しがよく管理が行き届いた駐車場を利用することが大切です。
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クルマに毎日乗らないという人でも、クルマの様子は毎日チェックしたほうが良いかもしれません。
もし心当たりのないチラシが挟まれていたら、それは盗難の予兆とも考えられるため、そのままにせずすぐに回収して破棄することが大切です。
また、特に盗難の多く発生している地域やターゲットとなりやすい車種の場合、ハンドルロックや警報装置など盗難防止装備を充実させるなど、複数の方法を組み合わせて対策すると良いでしょう。