2年目の挑戦どうなった? 次期型に繋げる進化の行方! GR86&SUBARU BRZのガチ勝負、最終戦で得たモノとは
今年最後のガチ勝負! 果たしてその結果は? そして来年に向けた動きはどうなる?
日曜日、早朝ははやや湿った部分は残っていましたが、決勝が始まる1時半にはドライコンデションに。ただ、気温は10度前後と冬の訪れを感じる中でのスタートとなりました。
GR86 CNF Conceptはスタート直後から格上のST-3車両を上回るペースで走行、BRZ CNF ConceptはもちろんMAZDA3 Bio conceptを引き離しにかかります。
これまでだと、どちらかに“何か”が起きていましたが、今回はどちらもノートラブル&ノーミス。
そのため順位は変わることなく、最終的にはBRZ CNF Conceptに2周の差を付けてGR86 CNF Conceptがトップチェッカー。
その結果、2023年のガチンコ勝負と言う意味ではGR86 CNF Conceptに軍配が上がりました。
ただ、この勝負は単なる勝ち負けだけでなく“未来”のための活動でもあります。
両チームは2023年のシーズンを共に戦ってきて、何を経験し、何を学んだのでしょうか。
まずはGR86 CNF Conceptの藤原氏からです。
「今回の結果はちょっと出来過ぎな所もありますが、素直に嬉しいです。
チームとしてもクルマとしてもまだまだレベルアップの余地はあるものの、2年間やってきた“成果”が出たと思っています。
中でもプラットフォーム開発はシーズン途中から本格的に取り組み始めた部分ですが、想定よりも上手くいったと思っています。
と言っても、課題は山積みですが『クルマが進化していけば要求値が高くなる』と言うポジティブな指摘だと認識しています。
来年のマシンは今年トライした様々なアイデアを、対処療法ではなく基本骨格の中に盛り込む予定です。
来年評価するクルマの完成を考えると、実は来年の開幕まで時間はありそうで無いので、気持ちを切り替えて進めていきたいと思っています」
続いて、BRZ CNF Conceptの本井監督です。
「シーズン初めからマシンのレベルは大きく上がりましたが、“悔しさ”は変わりませんね。
ただ、昨年と違ってネガな悔しさではなく、次に繋がる悔しさです。
活動を通じて当初は想定すらしていなかったようなチャレンジもできました。
もちろん中には失敗もありましたが、トライする事の大事さを学べたと思っています。
その結果、特にシーズン中旬以降は『仮説 → 検証』のルーティンが上手に回るようになったと思っています。
加えて、若手のフレッシュなアイデアや勢いもチーム内でいい刺激になっています。
今年、マシンの課題は『直線のスピード』ですが、実はその答えはこのクルマの延長戦上にはない思っています。
つまり、また新しい“何か”を考えていかなければいけないなと。
まだどうなるか分かりませんが、もっと別次元のチャレンジをする予定ですので、是非ご期待ください」
※ ※ ※
二人のコメントを筆者なりに深読みをすると、トヨタは「次期型検討ボディでの参戦」、スバルは「車両変更も検討中」と言った感じのような気もしています。
もし予想通りにマシンが大きく変わるなら、個人的には「今年戦ったマシンの完成度は、第三者が乗るとどう感じるのか?」を試してみたいなと。
来シーズンの体制は東京オートサロン2024までにハッキリすると思っています。
ちなみに2024年のスーパー耐久シリーズのカレンダーは発表済みで、3月下旬にテスト(SUGO)、4月20-21日に開幕戦のSUGOです。
まだ4か月ある、いやあと4か月しかない、そんな両チームの進化が今から楽しみです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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