謎の「ぐるぐる標識」意味はナニ? 設置の増加進む「新しい標識」 見かけたら何に注意すべき?
近年、青地に3本の白い矢印で円を描いた標識が設置されています。どのような意味なのでしょうか。
謎の「ぐるぐる」 増加傾向なのはメリットが多いから
道路を走っていると、青地に3本の白い矢印で円を描いた標識を見ることがあります。
近年この標識は増加傾向にありますが、どのような意味なのでしょうか。
これは、前方に「ラウンドアバウト」(環状交差点)が設置されていることを示す標識です。
通常の交差点は丁字や十字に道路が接続しており、必要に応じて信号で歩行者や車両の流れが整理されているのが一般的ですが、円形のラウンドアバウト(環状交差点)というものもあります。
ラウンドアバウトはヨーロッパなどで多く見られ、特にフランスの首都、パリのシャルル・ド・ゴール広場は、凱旋門を中心に12本の通りがつながるとても大きなラウンドアバウトとして世界的に有名です。
日本にも以前からロータリー交差点などはありましたが、2014年9月に施行された改正道路交通法によって通行方法などが整備されたことで、各地でラウンドアバウトの導入が進んでいます。
ラウンドアバウトは、交差点の中央部分が円形の島になっており、その島の周囲を時計回りで通行します。
交差点内には信号はなく、必ず島の周りを一方通行で走るため、右折で進入したり逆走したりすることはできません。
円の中を走っているクルマが優先されるため、ラウンドアバウトに進入しようとするクルマは、状況に応じて徐行または一時停止をして、安全確認することが必要です。
ラウンドアバウトの中では時計回りに走行し、ラウンドアバウトから出る時は、出ようとする道路の手前で左に寄って、ウインカーを左に出して左折で離脱します。
この時、歩行者がいる場合は歩行者優先となるため、必ず一時停止して歩行者が横断を終えてから通行しましょう。
一般的な交差点とは少し通行方法が異なるため、慣れるまでは難しさを感じるかもしれませんが、ラウンドアバウトが導入されることによるメリットには、まず安全性の向上が挙げられます。
具体的には、一般的な交差点と比較してクルマの速度が抑制されること、通常の交差点よりもクルマの交錯点が少ないことなどから、重大事故が起こりにくくなるといいます。
また、ラウンドアバウトには信号がないことから、信号待ちが発生せず円滑に走行できることも利点です。
さらに、五叉路や六叉路などのように多数の道路が交差する場所では、信号が複雑になって、信号待ちの時間も長くなりがちですが、ラウンドアバウトでは効率的に通行できます。
ほかにも、災害時など、停電によって信号が使えない場面でも大きな混乱なく通行が可能です。
ラウンドアバウトに接続する道路は、流入部と流出部の間が分離島で区切られているため、歩行者は一度で横断する距離が短くなり、一方通行の道路を横断する時と同じように、注意を払う必要があるのは一方向のみで済むなど、歩行者にとっても安全性も高い道路だといえます。
一方で、交通量の多い交差点には適さないことや、歩行者の横断方法が複雑になり遠回りになってしまうこともあるなどのデメリットもあります。
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導入が進んできたとはいえ、まだあまり多く見かけることのないラウンドアバウトですが、安全性の向上や円滑な走行が可能になるなどメリットの多い交差点です。
見慣れない人も多く、一般的な交差点とは通行方法が異なりますが、交差点内は時計回りに通行すること、左折で進入し左折で離脱することなどを知っておくと慌てずに済むでしょう。
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