トヨタ新型「アルヴェル」超えなるか!? 斬新デザインの「謎のミニバン」を初公開! 実車展示に注目集まるデンツァ「D9」とは

見た目は「アルファード」に似てる? デンツァ「D9」とは

 いっぽう、「デンツァ」から出展されるのは電動ミニバン「D9」です。

「デンツァ」は2011年にダイムラーとの合弁で誕生したブランドで、2014年に初のモデルを投入しましたが、あとに続く新モデルはなかなか登場せず、後発ブランドに押される状況が続いていました。

 2022年にはダイムラーが出資を10%まで減らすなど厳しい状況に陥りましたが、BYDはブランドを再始動、「D」「E」「N」「Z」「A」をボディ別に振り分ける新たなラインナップを展開し、その第1弾となる「D9」を発表した形となります。

 D9は全長5250mmx全幅1960mmx全高1920mm、ホイールベース3110mmの大型ミニバンです。

 中国では昨今、大型ミニバンへの需要が高まっており、各社ともにガソリン車だけでなく、BEVやPHEVのミニバンを続々と市場へ投入しています。

 D9もその流れに追随して投入されたものであり、BYDが開発した初のミニバン車種となります。

 D9ではBEVとPHEVの2種類のパワートレインを用意しています。

 BEVでは容量103.36kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載し、前輪駆動モデルは出力308hp(230 kW)、四輪駆動モデルでは出力368hp(275 kW)を誇ります。航続距離は中国独自のCLTC方式で前者が620km、後者が600kmです。

 これに対し、PHEVではメインユニットにBYD476ZQC型1.5リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを採用。バッテリーは最上位グレードで容量40.06kWhのものを搭載し、NEDC方式での純電動航続距離は190km、総合航続距離は1040kmを誇ります(四輪駆動モデルの値はそれぞれ180km/970km)。

 また、PHEVとBEVではエクステリアデザインも差別化を図っており、PHEVモデルがいくつかのブロック状にわけられたグリルを特徴としているのに対し、BEVモデルは垂直に下された曲線が美しいグリルレスなフロントマスクを持ちます。

左がBEV、右がPHEVとなり、フロントグリルの形が異なる。内装はほぼ同じとなっている(撮影:加藤博人)
左がBEV、右がPHEVとなり、フロントグリルの形が異なる。内装はほぼ同じとなっている(撮影:加藤博人)

 今回、日本で初めて展示されるD9はBEVモデルです。

 D9は2022年5月に発売されましたが、現在でも月に1万台ほどを販売しており、中国のミニバン販売台数ランキングでは毎月1位か2位に位置しています。

 価格はPHEVが33.58万元(約687.9万円)から44.58万元(約913.3万円)、BEVが39.58万元(約810.9万円)から46.58万元(約954.3万円)です。

 また、限定モデルとして最上級の4人乗りモデル「D9 PREMIER」も設定されており、こちらは66万元(約1352万円)からとなります。

 航続距離や環境性能の面で見るとデンツァ D9は他のミニバンと比べてコストパフォーマンスに優れており、それが人気につながっている印象です。

※ ※ ※

 BYDはD9の日本導入に関しては特に情報を明かしておらず、今回の展示は参考出品のような意味合いが強いものと考えられます。

 実車を展示することで来場者の反応を伺い、実際に日本で販売するか否かを決定することでしょう。

 今の日本において大型ミニバンはアルファード/ヴェルファイア一強体制が築かれており、この牙城はなかなか崩せるものではありません。

 ですが、トヨタのこの2車種は近日中にPHEVモデル投入を予告しているものの、BEVモデルに関しては情報がありません。

 そのような状況下においてBYDが電動ミニバンであるD9を投入すれば、話題を呼ぶことでしょう。

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