トヨタ新型「スポーツSUV」発売へ! めちゃカッコイイ斬新モデル「クラウンスポーツ」に“死角”なし?

“身内”のライバル!? 「ハリアー」や「NX」とはどう違うのか

 ハリアーの強みは、全てが「ちょうどよい上質感」にまとまっていることにあります。

 流麗なクーペフォルムは日本人好みのデザインで、インテリアの質感も高く、乗り心地も絶妙に心地良いものです。

 ロードノイズが小さいことも、上質さを一層引き上げています。

新型「クラウンスポーツ」は今後国産高級SUVの「ベンチマーク」となるのか!?
新型「クラウンスポーツ」は今後国産高級SUVの「ベンチマーク」となるのか!?

 ハリアーは特に、ベーシックなガソリン仕様の出来が良いと筆者は感じます。

 それが300万円台から400万円台という価格で手に入るということを考えると、この価格帯でのベストバイモデルといえます。

 しかしながら走りの面でみると、新型クラウンスポーツに分があると思われます。

 なぜなら新型クラウンスポーツに標準搭載のDRSが、ハンドリング性能に対し計り知れないほど大きいためです。

 一方レクサス NXの強みは、内外装のデザイン、走りの質感など、すべてにおいて完成度が高いことにあります。

 特にインテリアはレクサスクオリティの高品質感で、見た目から触感までこだわりのあるつくり。

 もちろん走行性能の高さは折り紙付きで、最量販グレードの2.5リッターハイブリッド「NX350h」(F SPORT/2WDは617万円)を中心に、PHEVもガソリンターボ車もすべて魅力的です。

 唯一の弱点は価格の高さ。クラウンスポーツと同スペックのNX(NX350h F SPORT 4WD)は税込644万円と、クラウンスポーツよりも54万円も高額となります。

 いわば高級ブランドのバッジ代をどう考えるかは、個人差があるかもしれません。

 ただ、新型クラウンスポーツの登場で最も影響を受けるのは、やはりクラウンクロスオーバーでしょう。

 エクステリアの濃厚なデザインとは対照的に、さっぱりとしたインテリアには当初、賛否両論ありましたが、2023年の月平均登録台数が3500台を超えるほど、十分なヒット作となっています。

 前述したように、最上級のRSグレードは圧巻の完成度で、ハイパフォーマンスなクロスオーバーセダンとして話題となっていますが、後出しとなったぶん、新型クラウンスポーツのほうがさらに優位に立つことは必然と考えられます。

 ただしクラウンクロスオーバーに用意される2.4リッターターボのデュアルブーストハイブリッドが、なぜか新型クラウンスポーツに設定されていない点はやや不思議なところです。

※ ※ ※

 新型クラウンスポーツは、今後の国産高級SUV界隈のベンチマークになるといって良いでしょう。

 新型クラウンシリーズの4バリエーションのなかでも最量販になるのでは、との声も多い新型クラウンスポーツの発売開始は、11月頃です。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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