縦列駐車、自動運転に学べる? クルマのアシスト機能は参考になるか
自動運転技術や駐車アシスト機能を備えたクルマは、狭い場所への縦列駐車もかんたんにこなしてしまいます。機械のように、うまく駐車することは可能なのでしょうか。
縦列駐車、3人にひとりが不合格?
縦列駐車は運転技量に差が出るものかもしれません。
東京都世田谷区の自動車教習所、フジドライビングスクールの田中さんは、「教習所ではできても、免許取得後は実際にあまり行う機会がないので、難しいと思っている人が多いと思います。免許失効時などの再試験では、3人にひとりくらいが不合格になっているかもしれません」といいます。
一方で近年は、駐車したい場所において自動でハンドルが操作され、縦列駐車も簡単にできるクルマがあります。これらの駐車アシスト技術を搭載したクルマとその技術について、メルセデス・ベンツ日本に聞きました。
――メルセデス・ベンツの駐車アシスト技術について教えてください。
駐車したい場所付近でドライバーがボタンを押すと、近くの駐車可能なスペースが最大4か所まで表示されるので、任意の位置を選択します。ギアをRに入れるとオペレーションが開始され、ハンドル操作とブレーキが自動で補助されます。この「アクティブパーキングアシスト」は現在、メルセデス・ベンツの多くのクラスで備わっていますが、「Eクラス」はさらにアクセル、シフト操作まですべて自動になっており、こちらは「パーキングパイロット」と呼ばれます。
機械が重視するのは「前後の間隔」
――機械はどういうところを見ているのでしょう?
フロントバンパー、リアバンパーにそれぞれ6個ずつ、障害物を検知するセンサーが付いており、おもに前後の車両との位置を見ています。だいたい、自車前後の間隔が50~60cm空いていれば駐車可能スペースとして認識され、そこに納めるようにアシストします。
――かなり狭いところにも入れられるのですね。機械のようにうまく自分もできますか? 試験に合格できるような……。
教習所で教える縦列駐車とは少し性質が異なるかもしれません。というのも、「アクティブパーキングアシスト」や「パーキングパイロット」は、フロント側とリア側に同じ間隔を保とうとして、位置を調整していきます。もちろん車体側面などにもセンサーがあり、周囲にぶつからないように納めてはいますが、たとえば、駐車マスにきっちり納めるようなやり方ではありません。
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「アクティブパーキングアシスト」や「パーキングパイロット」の動画を見ると、状況に応じて左右にハンドルを細かく切りながら、前後の位置を調整していることがわかります。人力で縦列駐車をする場合、駐車スペースの白線を目印のひとつとしてハンドルを操作する場合もありますが、メルセデス・ベンツ日本の担当者によると、「機械は車体の下は見ていないので、そのように駐車することはできない」とのことです。