まさに「“コンパクト”センチュリー」!? 全長4.5m以下の「小さな超高級車」! お値段700万円のトヨタ「オリジン」がスゴすぎた

まさに“小さなセンチュリー”?

見た目にはクラシカルなオリジンですが、ベースは1998年デビューのプログレのため、発売された2000年当時の最新技術はそのまま盛り込まれていました。

限定車なのに観音開きまで採用…オリジンは本気すぎる1台だった
限定車なのに観音開きまで採用…オリジンは本気すぎる1台だった

 エンジンは215psを発生する3リッター直列6気筒エンジンが搭載されており、動力性能は十分以上でした。ノスタルジックな外観と最新の走りの組み合わせは、ある意味クルマ好きの理想ともいえます。

 安全面においても、手作業で外板を組んだクルマでありながら、衝撃吸収ボディ・高強度キャビンの「GOA(ゴア)」はそのままキープされていたことも現代流でした。

 オリジンの魅力はそれだけではありません。

 設計の基礎となったプログレは、クラウン、もしくは『セルシオ(現在のレクサスLS)』に匹敵する品質を誇る「小さな高級車」でありながら、クラウンよりも全長が20cm以上小さいボディが特徴でした。

 全長約4.5mというサイズは、ひとクラスコンパクトな『コロナ・プレミオ』とほぼ同じでした。BMW「3シリーズ」やメルセデス・ベンツ「Cクラス」、アウディ「A4」などの欧州製高級セダンもほぼ同サイズだったのですが、日本にはその直接的なライバルとなる4.5m級プレミアムコンパクトが販売されておらず、「プログレ」は貴重な存在と言えました。

 オリジンでも、プログレが持つ「適度で乗りやすいサイズの、小さな高級車」という美点は引き継がれていました。クラフトマンシップに溢れた内外装により、「小さなゼンチュリー」とも称されることさえあるほどです。

 オリジンの価格は700万円と設定されていました。20年以上前では高額な国産車でしたが、手作業で生まれたクルマという価値を考えると、現在ではバーゲンプライスに感じるほどです。

 いわゆる「パイクカー」にも含まれるクルマでありながら、トヨタの高い技術力と、それを継承する本気度が詰まったオリジン。今後も、このようなコダワリや本気が詰まったクルマの登場が期待されます。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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