トヨタが「全長5m超えの斬新ボディ」の新型モデル「世極」発表か!? ! 初の海外展開? 「センチュリー」は何処から導入?
新型センチュリーの中国名は「世紀」ではない? 現地も注目のスペックとは
また、記載されている商標と車名は「センチュリー=世紀」ではなく「世極」なのも特筆すべき点です。
中国には正式に上陸していなかったものの、一部では「センチュリー」をそのまま直訳した「世紀」として知られていました。
それが、トヨタが今回届け出た中国語名は「世極」となっているわけです。
これにはおそらくビュイックがすでに中国市場限定で販売している高級ミニバン「GL8 センチュリー(中国語名:GL8 世紀)」の存在が影響していると見られます。
ビュイックのミニバンとの混同や商標問題を避けるために、より歴史の長いセンチュリーのほうが「世紀」という名称を中国市場に寄せた形となります。
この懸念点が考慮されているあたり、センチュリーの中国上陸はほぼ確実であると見て問題ないでしょう。
とはいえ、中国語では両者の発音が大きく変わらない(世紀=shi ji、世極=shi ji)ので、そこまで違和感のない新たな車名となっています。

車名に加え、日本でも明らかとなっていないいくつかのスペックも同じく記載されています。
工信部に届け出られた情報によると、純電動航続距離は57km、燃費は7.78 L/km(=12.85 km/L)、駆動用バッテリーの重量は155 kg、そして容量が18.12 kWhとのこと。
航続距離と燃費は日本で公表されている数値と若干異なりますが、これは測定方法の違いによるもので大きな差異はありません。
この点からも、現時点で届け出られている新型センチュリーの仕様は日本と同一であることがわかります。
いつ中国向けに正式発表されるかは不明ですが、政府機関への届出がなされたということは発売間近であると判断できます。
また、最高級モデルともなると中国現地で生産されるとは考えにくく、新型センチュリーは中国で輸入車扱いとなるでしょう。
その場合、中国は輸入車に対して15%の関税を課しているため、日本よりも高い価格で販売されることは確実です。
新型センチュリーはすでに中国のネットでも話題を呼んでいますが、中国でもハイランダーと同じプラットフォームである点や、センチュリーにそぐわないV6エンジンを搭載している点を否定的に見る意見が見受けられます。
とはいえ、ネットの意見の大半は実際に購入を検討している消費者ではないでしょう。
実際には、中国の富裕層が新型センチュリーをどのように評価するかが気になるポイントとなります。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。







































