なぜ中古車販売店で「価格表示トラブル」多発? 10月から「支払総額」義務化! 不当表示の透明化で業界健全化図れるか

不適切な詐欺的手口!? 「不当な価格表示や費用請求」ってなに? 具体的にどんな費用が含まれるのか?

 不適切な詐欺的手口として第一に挙げられるのは「不当な価格表示や費用請求」です。

 ●プライスボードには安価な車両価格+総支払額が表示されるが、表示価格で購入できない

 大手中古車販売店の中にはほぼ卸価格と同様の安価な価格を掲示して、「超お買い得!」だと誤認した客がいざ商談を始めると、「車両価格+50万円」が支払総額になるというようなケースが多発してきました。

 客が「キャンセルしたい」というと不当に高額なキャンセル料を請求されることもしばしばあったようです。

 ●本来、車両価格に含まれる費用を別途請求

 納車のための軽整備(納車整備費用、納車準備費用などの名目)や車内クリーニング、洗車や一般的な中古車保証は本来、車両価格に含まれるべき費用です。

 車検無しの車両は車検を取得し購入者名義として登録をする際の価格を「車両価格」に含めて提示することも義務付けられています。

 特に昨今、筆者のところに情報提供が多く寄せられるのはビッグモーター等における「ロングラン保証」や「ガラスコーティング」についてです。

 保証のための費用をとっておいて、実際にはトラブルがあっても保証で対応できないなどと言われ結局、客自身が自腹で支払うことになった例や、専門業者が施工するとして8-13万円のコーティング費用を徴収。

 しかし、実際には専門業者ではなく営業担当者本人がスプレーを吹きかけただけで施工終了とされていた例も多々ありました。

 コーティングの施工証明書を求めたところ偽造された施工証明書を出された人もいます。

 コーティング費用はあくまでも「オプション」なので、客が希望しない場合は外すことができます。

 さらに、納車準備費用は「中古車を商品化するために車両価格に含まれるべき費用」となるため車両価格に含まれて当然の費用です。客に別途請求する費用ではないことを覚えておきましょう。

今後「総額表示」でトラブルは減るのか?
今後「総額表示」でトラブルは減るのか?

 ところでこの犯罪まがいの販売方法。誰がいつ始めたのでしょか。中古車業界に長く身を置く筆者の友人いわく、ビッグモーターではないとのこと。

「安値を提示しオプションで儲ける…そのやり方でイッキに売上拡大した中古車販売会社が最初に始めました。

 ほぼ仕入れ値レベルの安値を提示し、客が店に行って商談を始めるとコーティングや納車整備点検、各種保証などのオプション購入を必須とし、結局総支払額は車両本体価格+30~50万円という高額な金額になっていました。

 この方法だとみんなその会社に客を取られるので、大手中古車販売店なども後に続きました」

※ ※ ※

 なお自動車公正取引協議会では、今回の改定に関して各販売店に研修会やプライスカード(価格表示)作成システムの提供を行っています。

 さらに、ユーザーに対してはホームページやYouTubeにて中古車販売に関する疑問などを公開しています。

 その他、今後は改定とあわせて価格表示以外に顕在している冠水車の虚偽表示・不表示の問題や、修復歴車の隠ぺいなどの不当表示についても厳正に対処していくとしています。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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