ホンダアクセスがユーザー交流イベントを開催! 開発秘話や愛車愛が飛び交った「Modulo Xシリーズ10周年ユーザーミーティング」
ホンダアクセスがユーザー交流イベント「Modulo Xシリーズ10周年ユーザーミーティング」を開催しました。イベントでは多くのオーナーが参加したほか、開発アドバイザーの土屋圭市さんも登場し、開発秘話や愛車愛が飛び交い、互いに交流を深めていました。
会場には開発過程で使用されるジャングルジム化したフィットも!
とある場所で、車内にたくさんの鉄パイプを組み込んでジャングルジム化しているホンダ「フィット」を見かけました。これは果たして何を目的とした車両でしょうか?
このクルマが置かれていたのは、ホンダアクセス(ホンダ車の純正用品などを担うホンダの関連会社)が主催したイベント「Modulo Xシリーズ10周年ユーザーミーティング」の会場である群馬サイクルスポーツセンター(群馬県みなかみ町)の中。「実効空力(じっこうくうりき)エアロパーツ実験車」として展示されていました。
それにしてもすごい見た目です。スーパーGTやスーパー耐久のマシンをはじめ、箱車(市販車ベースの競技車両の通称)のレーシングカーは車体剛性アップと安全性を高めるため室内に「ロールケージ」と呼ばれる金属製のパイプを取り付けますが、このフィットの室内の金属製パイプの本数といったら本格的なレーシングカーどころかそれ以上。後席部分だけでなく運転席前から天井、床、さらにはエンジンルームやフロア下まで無数のパイプが取り付けられています。ダッシュボードの上にも左右のAピラーをつなぐように取り付けられているほか、フロントフェンダー、そして車両前後端にもセット。その本数を数えるとなんと50本ほどでした。
興味深いのはすべての固定方法が溶接ではなくネジ留めとしていること。つまり、脱着可能なのです。
ちなみに紫のカラーとしているのは、機能には関係なく「なんとなくカッコいいから」だそうです。ヘッドライトをテーピングしてあるのも、同じ理由からでした。
この車両の目的はいったい何なのでしょうか?
ホンダアクセス開発エンジニアによると「開発エンジニアがボディ剛性の変化を体感するための車両」とのことで、車体各部に金属製パイプを取り付けたり外したりし、それによって変化する車体剛性がどう運転感覚に影響を及ぼすかを学ぶためだというのです。もちろん公道走行はできません。
昨今、ホンダアクセスは「実効空力」と呼ぶ、実際にドライバビリティが向上する、しっかりと機能を持った空力パーツの開発を進めています。その狙いのひとつが車体の周囲を流れる風を活用してタイヤの接地性を高め、車体剛性が向上したのと同様の効果を生むというもの。そのためには開発エンジニア自身が「車体剛性向上」を体でしっかり理解する必要があり、この車両でそれを体験し、学び、その知見を実行空力アイテム開発にいかそうというわけです。だから「実効空力“感”」というわけ。エアロパーツの開発ながら、エアロパーツを装着するわけではないのです。
たしかに、こういった車両で車体剛性の違いを学べば、実感としてドライバビリティの変化を理解できるエンジニアが育つことでしょう。
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