1000馬力のトヨタ「爆速マシン」が凄い! 黒い極上内装&鮮やか青ボディ採用! 15万キロ走っても1000万円級の個性とは

名機として知られる「2JZ-GTE」を搭載したトヨタ「スープラ(A80)」は、アメリカをはじめとする海外でも人気の高い国産スポーツカーです。そんな中で1000馬力を誇る個体にはどのような特徴があるのでしょうか。

1000馬力のモンスター・スープラが登場!

 1993年から2002年にかけて販売されていたトヨタ「スープラ(A80)」は、アメリカをはじめとする海外でも人気の高い国産スポーツカーです。
 
 このほど、そんなスープラを1000馬力もの「怪力」に仕上げた1台が海外オークションに登場しました。

1000馬力のモンスタースープラとは
1000馬力のモンスタースープラとは

 80スープラの人気に火を付けたとされるのは、2001年に公開された映画「ワイルド・スピード」です。

 同作では80スープラが主役級の活躍を見せており、その後の続編でもたびたび登場することから、映画の人気とともに大きな注目が集まりました。

 80スープラにはいくつかの仕様が存在していますが、そのなかでも最も市場価値が高いとされるのが、3リッター直列6気筒ツインターボエンジン「2JZ-GTE」を搭載したグレードです。

 ワイルド・スピードのなかでも「名機」として紹介されている「2JZ-GTE」は、チューニング次第で1000馬力を超すモンスターマシンへと仕上げることができるなど、非常にポテンシャルの高いエンジンとして知られています。

 そんななか、アメリカのインターネットオークションには、実際に1000馬力を超すモンスター・スープラが登場し注目を集めています。

 フロリダ州・マイアミの郊外にあるデルレイビーチから出品されたこの個体は、海岸線がよく似合うメタリック・ブルーのペイントが特徴の1台です。

 ベースとなるのは1995年式の日本国内仕様のスープラで、これまでに3人のオーナーが乗り継いできたと言います。

 走行距離は9万8000マイル(約15万8000km)とそれなりですが、内外装ともにしっかりとレストアが施されており、また多くのパーツが新品もしくは新品同様のものへと交換されているなど、コンディションは良好です。

 内装は比較的落ち着いているようにも見えますが、ステアリングやダッシュボードはカーボン素材のものへと置き換えられ、また、シートもスパルコ製レーシングシートへと交換されています。

 一方、このスープラのハイライトは、細部までチューニングされた「2JZ-GTE」エンジンにあります。

 完全に組み直されたエンジンブロックに対して、インテーク・マニホールドやフューエル・インジェクターはもちろん、インタークーラーやECUにまでしっかりと手が加えられています。

 その結果、通常のガソリンでは約600馬力、「E85」と呼ばれる合成燃料を用いれば最大1000馬力という驚異のパワーを発揮することができるといいます。

 この数値は純正のおよそ4倍であり、「モアパワー」を求めるアメリカらしいチューニングとなっています。

 一方、その怪力ぶりとは裏腹に、このスープラの内外装は非常にシンプルかつクリーンにまとめられており、日常的な利用も含めトータルバランスに優れたチューニングに徹していることがうかがえます。

 このスープラは2023年9月13日に1000ドル(約14万円)から入札が開始され、その後9月15日には6万6100ドル(約925万4000円)まで値が跳ね上がりました、

 ただ、それでも出品者が設定する最低落札価格には届かなかったようで、9月20日をもってオークションは終了しています。

 現在のスープラの相場を見ると、1000万円を大きく超える値がつく個体もめずらしくなく、コンディションによっては2000万円にもおよぶものもあります。

 そうした背景を考えると、このモンスター・スープラの最低落札価格は、おそらく1200万円から1500万円程度に設定されていたものと推定されます。

 いずれにせよ、当時の新車価格を大きく超えるものであったことは間違いなさそうです。

※ ※ ※

「2JZ-GTE」が注目されることの多いスープラですが、剛性の高いボディをはじめ、クルマそのものが持つポテンシャルの高さも大きな魅力です。

 スープラが1000馬力クラスのハイパワー・チューニングのベース車両に選ばれることが多いのも、そうしたポテンシャルの高さによるところが大きいのかもしれません。

【画像】「えっ…!」これが2億円超えの「スープラ」です。(31枚)

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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