トヨタの「モノづくり」は匠技とデジタルの融合!? クラウンスポーツ&センチュリーにも採用される「隠し味」とは
元町工場では、クルマの個性を高める匠の加飾技術がお披露目された
元町工場では、匠の技・加工技術の進化により、これまで困難とされてきた高い意匠性と機能性が実現できるようになった事例として、いくつかの事例が公開されました。
1つ目は、2023年秋に発売される新型「クラウンスポーツ」に採用される「ピアノブラック調バンパーの塗装レス化技術」です。
従来のピアノブラックは塗装によって作られていましたが、今回の塗装レス技術は、匠の技で鏡のように傷ひとつなく均一に金型を磨き上げることで、塗装なしの素材本来の色で、艶感のあるピアノブラックを実現しました。
この技術は、塗装が不要になることで、塗装作業で発生するCO2排出を削減できるため、工場のカーボンニュートラルにも貢献。さらに多少のキズはふき取りで落ちるなど、キズ補修性も向上しています。
なお新型クラウンスポーツでは、リアコンビネーションランプの付近とリアバンパーにこの技術が採用されました。
さらには2023年9月6日に発表された新型「センチュリー」に採用された「シャープなキャラクターラインを成形するレーザー加工技術」もお披露目されました。
クルマのボディには、デザインの魅力を高めるためのキャラクターラインと呼ばれる線があり、プレス成形で造られますが、形状・部位によってプレス成形でシャープな線を造ることが困難な場合があります。
それを解決するためにプレス成形後に追加でレーザー加工をすることにより、シャープなキャラクターラインを成形する技術を開発。
より線の通りや消え方の細部まで拘り抜いたキャラクターラインを実現しました。
新型センチュリーのAピラーからルーフに繋がるエッジの効いたキャラクターラインが採用された部分です。
同じく新型センチュリーには、試作車づくりを通じて継承し続けてきたハンマーによる板金技能を活かした「柾目」の「スカッフプレート」も採用されています。
クルマの開発と言えば、新しい技術が注目されがちですが、長年培われた匠の技が最新のクルマづくりに活かされています。
前出の新郷氏は次のように述べています。
「技術の進化やロボットの導入が進んでも、更なる改善を考えることができるのは TPS を身につけた人財です。
もっと良いモノづくりに向けて、トヨタは、人を鍛え、匠の技を次の世代にも継承し、モノづくりを進化させ続けていくことが重要だと考えています。
トヨタの『技』で、モノづくりの未来を変える。そしてクルマの未来を変えていきます」
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