スバルは、新型「レヴォーグ レイバック（LEVORG LAYBACK）」（以下新型レイバック）を初公開し、2023年9月7日に先行予約を開始しました。
　
　新型レイバックは、ステーションワゴンの「レヴォーグ」をベースにクロスオーバーSUV化したモデルです。

「くつろぐ」「ゆったり」「リラックスできる」という意味の「laid back」を語源として、都市型SUVがもつ豊かな時間や空間を大切にする気持ちをネーミングに込めたといいます。

　外観は、レヴォーグのデザインを基本としながら、グリルに太いガーニッシュを加えたり、フェンダーアーチやボディ下部にクラッディング（樹脂パーツ）を追加するなど、SUVらしい力強さが感じられます。

　一方で、丸く緩やかなデザインになったフロントバンパーなどは柔らかさがあり、プレーンでナチュラルな印象は、「くつろぐ」「ゆったり」「リラックスできる」というコンセプトにぴったりでしょう。

　内装は、アッシュカラーを取り入れた２トーンシートはスバルにしては珍しい展開ですが、上質さを表現。200mmという高めの最低地上高を確保したことにともない、乗降性を良くするために、フロントシートのサイドサポートを少し低くするなど細かい配慮がなされています。

　そんな新型レイバックで気になるのは使い勝手ではないでしょうか。同じくスバルSUVの「レガシィ アウトバック」「クロストレック」と比較してみました。

　新型レイバックは、先述の通りSUVらしさを表現するために前後バンパー、サイドステップ、インナーフェンダーを変更し、新たにオーバーフェンダーを装備しています。

　ボディサイズは、ベースのレヴォーグ「GT-H EX」は全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mmですが、新型レイバックは全長4770mm×全幅1820mm×全高1570mmと、前後バンパーの延長分とオーバーフェンダー装着分、地上高アップによる高さアップと、わずかに大きくなっています。

　また、フラッグシップSUVであるアウトバック（リミテッド EX、以下同様）は全長4870mm×全幅1875mm×全高1675mmと、全幅は新型レイバックのほうが幅広いのですが、全長が長くて車高が高いアウトバックのほうがひと回り大きいサイズ感です。

　なお、クロストレック（リミテッド、以下同様）は全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mmと、全幅と全高は新型レイバックとほぼ同じですが、全長は290mm短くなります。

　クロストレックの場合、全長の短さがコンパクトで取り回しの良さを実現しているのですが、たくさんの荷物を積みたいという時にはネックになってしまいます。

　トランクスペースの比較をしてみます。

　アウトバックは長さ1086mm×開口幅1149mm×高さ884mm、新型レイバックは長さ1070mm×開口幅1100mm×高さ771mm、クロストレックは長さ814mm×長さ1042mm×高さ708mmで、地上から荷室までの高さはアウトバックが715mm、新型レイバックが690mm、クロストレック780mmとなります（数値はスバルの資料から引用）。

　これらの数字を見てみても、アウトバックは大きすぎるけど、クロストレックでは少し小さいというユーザーに、新型レイバックはちょうど良いサイズだということが分かります。

　それならばレヴォーグでも良いのではないかと思えますが、同車はスポーツワゴンの部類に入ります。

　新型レイバックもレヴォーグも、同じ1.8リッターガソリン直噴ターボエンジンを搭載しており、最高出力177馬力、最大トルク300Nmというエンジンスペックも同じですが、走りの味付けが異なります。

　レヴォーグにはスポーツ性能に応えるサスペンションが備わっておりシャープな走りが楽しめるのですが、そこまでの性能を必要としないユーザーには、穏やかな乗り味で「くつろぐ」「ゆったり」「リラックスできる」を目指した新型レイバックのほうが適しているのではないでしょうか。