シフトレバーに付いてた「O/Dボタン」なぜ消えた? いまや「謎のボタン」と思う人も… どんな意味があるのか
かつてのAT車には「オーバードライブ (O/D) スイッチ」という機構が付いていました。最近ではほとんど見かけることがありませんが、どのような役割があったのでしょうか。
オーバードライブってなに?
AT車に搭載されていた「オーバードライブ (O/D)」が、最近のクルマではほとんど見かけなくなりました。
そもそもオーバードライブには、どのような役割があるのでしょうか。

最近の車はほとんど見かけませんが、昔のAT車や現在でも一部のAT車にはシフトノブに小さなボタンがついていることがあります。
これはオーバードライブスイッチの役割を果たし、押すことでオンオフの切り替えができるようになり、オフにするとインパネ上に「O/D OFF」と表示されます。
オーバードライブというのはクルマのトップギアを指し、例えば5速AT車の場合はオンの状態だと5速までシフトを切り替える仕組みです。
また、燃費を良くしたい場合や静粛性にも優れているので基本的にはトップギア状態までシフトアップするオンのまま走行します。
もともとAT車は、燃費を良くするために高いギアを選択してエンジンの回転を抑える傾向です。
燃費や静粛性の面では有利ですが、速度のコントロールという部分においては不便なケースも存在します。
具体的には、下り坂でオーバードライブがオンになっていると、高いギアを優先的に選択するためエンジンブレーキがほとんど効きません。
また、フットブレーキだと減速しにくく、長い下り坂だとベーパーロックの可能性も生じます。
そこで、下り坂でエンジンブレーキを利用したいときにオーバードライブをオフにすることで、程よいエンジンブレーキを効かせられるのでスピードコントロールがスムーズに行なえます。
またオーバードライブは登り坂でパワーが欲しい場合にも利用できます。
登り坂でトップギアに入っていると思うように加速ができないので、オーバードライブをオフにすれば、一段下のギアにすることが可能でクルマを追い越したい場合には有利といえるでしょう。
このようにAT車では便利なオーバードライブですが、最近のクルマでは採用がないようです。それはなぜなのでしょうか。











