150台が火災の被害に! クルマが燃えたら補償は? 法律では「責任問えない」なぜ? 自動車保険の対応はどうなるのか
神奈川県厚木市内のパチンコ店で発生した車両火災ですが、駐車されていた150台以上の乗用車が被害にあったと報じられています。では自分のクルマが被害を受けた場合、何らかの補償を受けることはできるのでしょうか。
火災でクルマが燃えた…車両保険は使えるの?損害保険会社に聞いてみた
2023年8月20日、神奈川県厚木市内のパチンコ店の立体駐車場で火災が発生し、駐車場に駐車されていた150台以上の乗用車が燃える事案が発生しました。
仮にこのようなケースで自分のクルマが被害を受けた場合、何らかの補償を受けることはできるのでしょうか。
SNS上ではこのニュースに対し「この火災の損害賠償って誰が払うの?」、「火元のディーゼル車の保険でどうにかなるの?」といった疑問の声。
さらには「被害に遭った人は、警察からパチンコ屋や火元になったクルマの所有者に損害賠償請求はできないと言われたらしい」などの声が寄せられています。
では、このような事例での損害賠償はどうなるのでしょうか。
不法行為による損害賠償について規定された民法第709条は、次のように定めています。
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
つまり、『わざと』または『不注意』によって人に怪我をさせる、他人の物を壊すなどしてしまった場合には弁償する必要があります。
しかし火災に関して明治32年に制定された「失火ノ責任ニ関スル法律」(失火責任法)においては以下のように規定されています。
「民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス」
この条文によると、原則として失火(過失による火事)の場合は民法第709条が適用されず、火元側に重大な過失がなければ責任は問えない可能性が高いといえるでしょう。
今回の火災は放火などの事件性が低く故意によるものではないため、火元となったクルマの所有者に損害賠償請求はできないとみられています。
そうはいっても、火災の被害に遭った自動車ユーザーはクルマが使えなくなってしまう上、補償が全く無いとすれば非常に耐え難いことです。
もし何らかの補償が受けられるとすれば個人で加入している車両保険が考えられますが、実際に補償はしてもらえるのでしょうか。
今回のような事案によって被害を受けた場合における車両保険の補償について、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の広報担当者は以下のように説明しています。
「今回のような事例の場合、クルマの修理費用を車両保険で補償できますが、保険を使用すると等級が1等級下がります。
また、クルマが走行できない状態においては『ロードサービス費用特約』による補償が可能で、搬送費用に関してのみ保険を使用しても等級に変更はありません」(※契約者が2023年1月1日始期、個人向け自動車保険『タフ・クルマの保険』に加入していた場合)
※ ※ ※
保険金は基本的に車両の保険金額を限度に支払われますが、特約の有無や実際にかかる修理費用など、その時々の状況によって変わります。
なお、車両の保険金額は契約者が設定する最大補償金のことをいい、通常はクルマの市場流通価格と同程度か、それ以下で設定することができます。
一般的にクルマは年数が経過すれば価格が下がる傾向にあり、車両保険で支払われる保険金も年数とともに下がる可能性があります。
そのため、金額が気になる人は契約している保険会社や保険代理店に確認してみると良いでしょう。
私の誤解かも知れませんが、文中に警察がパチンコ店や火元になった車に対して、損害賠償請求はできないと言われたらしい」とありますが、警察はあくまで民事には介入しませんのでそこを勘違いしてませんかね。損害賠償できる出来ないは言わないと思います
その通りです。
それに、無理すれば車の移動が出来たかも知れないのに駐車場を閉鎖したパチンコ屋の責任は無いのか?弁償に応じないパチンコ屋は本当に正しいのか??