シート寝かせて片手でハンドルくるくる…「ヤンキー運転」やってない? 何がダメ? 悪い運転姿勢で事故が多発する訳

ついやりがちな「片手12時ハンドル」が実は危険!

 悪い運転姿勢はともかく、あまり感心できないのが「片手ハンドル」での運転です。

 なかでも多いのは、時計の12時の位置(ハンドルの上部中心あたり)を軽く押さえるスタイルで、そういった姿勢の人はアームレストやセンターコンソール、または窓枠に反対側の肘をついているでしょう。

 やはりハンドルは常に両手で握っておくべきなのでしょうか。

姿勢が崩れた片手運転は危険
姿勢が崩れた片手運転は危険

「ハンドルは必ずしも両手で握らなくても、道路交通法違反には該当しません。ただし咄嗟の操作がしづらいということは間違いないでしょう。十分な操作ができずに、普通なら避けられた事故を起こしてしまうこともあります」(教習所の元教官 I氏)

 この片手12時ハンドルは、いわゆるヤンキースタイルの代表ともいえ、シートに浅く座り背もたれが倒れているので、体が斜めに傾いているケースがほとんど。ハンドルから遠いだけでなく、メーター類も見えにくいと思われます。

 さらに、今や標準装備となったエアバッグは、正しい運転姿勢に対してはじめて効果を発揮するもの。とくにサイドエアバッグなどは、崩れた運転姿勢では効果が薄れてしまうでしょう。

「本人は運転がうまいつもりなのでしょうが、実は運転がヘタだと周囲にアピールしているようなものです。なにせ正確な操作すらできないのですから。

 しかも実は無理な姿勢のために逆に疲れやすくなってしまったり、腰などに負担がかかってしまうのです。すぐに改めたほうが良いでしょう」(教習所の元教官 I氏)

 では、正しい運転姿勢は、教習所で習ったように、シートをかなり前の方へ出してハンドルも近いポジションが正解なのでしょうか。

「元教官として教習所で教えていた立場からすれば、あのポジションを否定することはできないのですが、そこまでガチガチでなくても良いとは思います。

 クルマは加減速を繰り返す乗り物ですから、できる限りシートには深く腰かけ腰を安定させることで体が前後に動いてしまうことも減ります。

 シートの位置は、ブレーキペダルが思いっきり踏み込めるところまで調整し、ハンドルの9時15分あたりを両手で握って、腕が伸び切らない程度まで背もたれを起こしてください。それだけで自然と正しいポジションになると思います」(教習所の元教官 I氏)

 この「9時15分」のポジションは、プロドライバーも推奨する自然なポジションで、手の親指の付け根(掌底部分)あたりをハンドルに押し付けるように握ると操作しやすいといわれています。

「ABS(アンチロックブレーキシステム)は目一杯踏んで初めて作動します。軽くしかブレーキを踏めない状態では、万が一のアクシデントを回避できません。

 現代のクルマはブレーキサポートや衝突被害軽減ブレーキなども装備されていて、安全性は高まっているものの、クルマを操作しているのはドライバーです。

 正しい姿勢はカッコ悪いという変な思い込みは捨てて、むしろ正しい運転姿勢のほうが疲れにくくコントロールもしやすいので、運転がうまくなると思います」(教習所の元教官 I氏)

※ ※ ※

 自分ではカッコ良いつもりの運転姿勢が、逆に運転しづらく、事故の原因になることがあります。

 とくに、片手12時ハンドルでは姿勢が崩れて疲労の原因なるとのこと。シフト操作の都合上、片手運転になることはありますが、すぐに両手が使えるポジションを確保しておくことが、安全運転につながるというわけです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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