GR86は「見えない敵」と戦った? BRZ不在も新たなライバル現る!? 一筋縄ではいかない九州での戦いとは
ライバル不在かと思いきや…意外なライバル登場!? GR86 CNFコンセプトのレースはどうだった?
実はここオートポリスがデビュー戦の12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(以下がロードスターCNFコンセプト)は、GR86 CNFコンセプト/BRZ CNFコンセプトと同じカーボンニュートラル燃料を使用します。
実は木曜日の練習走行でクラッシュしてしまい、そこからチーム総動員で修復作業をスタート。
菅生でのTeam SDA Engineeringと同じ状況でしたが、メンバーに話を聞くと「スバルさんに直せて、我々が直せないのは悔しいですから」と教えてくれました。そして、有言実行で決勝日の朝に新車のように戻ったマシンの姿が。
日曜日の決勝は早朝に雨が降り、ウォームアップ走行は時々刻々と路面状況が変わるコンディションでしたが、スタート進行が始まる頃には路面もほぼドライに。
そして11時から5時間のレースがスタートしました。ORC
GR86 CNFコンセプトは序盤から安定した走行を続け、5時間をほぼノントラブル137周を走ってゴール。
ちなみに2022年のオートポリスはエンジンが吹けないトラブルでリタイヤでしたが、今回シッカリ走り切ったことで、多くのデータを残すことができました。
ちなみにロードスターCNFコンセプトはセッティングもほぼぶっつけ本番ながらも、安定したタイムで130周を走り切りました。
しかし、実はMAZDA SPRIT Racingのもう1台、バイオディーゼル燃料を使う55号車「MAZDA SPRIT Racing MAZDA3 Bioコンセプト」(以下MAZDA3 Bioコンセプト)がGR86 CNFコンセプトと同一周回でゴール。
今後はGR86 CNFコンセプト/BRZ CNFコンセプトのガチンコ対決に割って入ってくる予感も。
Team SDA Engineeringの本井監督は「55号車の進化がヤバい。しかも、もてぎは300psらしい」と焦っていました。
最後に藤原氏にレース後の総括をお聞きしました。
外から見ている限りは順調に走っているように見えましたが、実際はどうだったのでしょうか。
「スバルさんとST-4がいないことで気持ち的なゆとりはありましたが、やはり『一筋縄ではなかった』と言うのは素直な感想です。
マシン的にはこれまでの熟成の成果が出たと思いますが、ドライバーからも課題もたくさんいただきましたので、これからですね。
特に路面温度の高さとオートポリス特有の路面から来るタイヤの負担が予想以上でした。
そんな状況下でも乗りやすいクルマにする必要がある……そんな課題が得られたレースだったと思っています。
スバルさんはオートポリスを休んだ事で、更なるレベルアップを行なっているのは間違いないと思います。
我々もこのままではいけないと思っていますので、頑張ります」
※ ※ ※
次戦は2023年9月2日・3日のモビリティリゾート(栃木県)で開催される5時間耐久です。
ストップ&ゴーが多いブレーキや冷却に厳しいコース、まだまだ残暑は厳しい中の戦いとなります。
その中でGR86 CNFコンセプト/BRZ CNFコンセプトのガチンコ対決。そしてMAZDA SPRIT Racingの2台も加わる「四つ巴(?)の戦い」にも期待したい所です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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