えっ…「“原子力”エンジン」搭載!? 大手メーカーも検討! 斬新デザイン&アイデア採用の“夢マシンたち”とは

シムカ・フルグル

 シムカが1958年に設計し、1959年のジュネーブショーに展示した原子力自動車「フルグル(Fulgur)」は、「スチュードベーカー・パッカード アストラル」のように、一般的なクルマの概念ではくくれない姿と設計で登場しました。

まるで昔のSF…シムカ「フルグル」
まるで昔のSF…シムカ「フルグル」

 2000年のクルマを想像して開発された「フルグル」は、「音声コマンドとレーダーによる自動運転」「動力源に原子力あるいは燃料電池を使用」「150km/h以上になると4輪のうち前輪が格納され、ジャイロスコープによって2輪走行する」「道路からの給電」などが可能とされていました。

 そのうち「音声コマンド」「自動運転」などは、現代においても開発が進んでいる項目でもあり、「フルグル」の先見性がうかがえます。

 まるで宇宙船、あるいはSFに出てくる小型艇のようなデザインは、のちにシトロエン 「CX」やルノー「25」のデザインで名をはせるロベール・オプロンによるものでした。

 フルグルは走行可能な実車が製作されましたが、こちらも原子力機関の搭載は行われず、内燃機関もしくは電池によって動いていたと推測されています。

フォード シアトリティ XXI

 ここで紹介する最後の原子力自動車は、1962年にシアトル万博で発表された「フォード シアトリティ XXI(21)」(Seattle-ite XXI)です。

 ニュークレオンに次ぐフォードの原子力自動車ですが、「シアトリティ」では、ニュークレオンでは後部に置かれていた原子炉を前方に移動。一方でニュークレオン同様、用途に合わせたパワーユニットを選択できるよう、車体前部の脱着が可能でした。

 前輪は、操縦安定性やブレーキ力の向上を目指して4つに増やされており、しかもその前輪が駆動軸という、いわゆるFF方式となっていました。

 斬新な外観に劣らず車内も先進的で、ステアリングホイールの代わりにダイヤル状の制御装置を備えていました。前席の前にはマップが表示できる横長のモニターが置かれ、コンピューターによるナビゲーションシステムさえも組み込まれていた、とうたわれていました。

 このクルマもニュークレオン同様に8分の3スケールの模型のみが作られたに過ぎません。原子力機関も、夢のようなナビゲーションシステムも、当時ではまさに「夢」だったため、もし現実的に実車が製作されたとしても、それらの搭載は不可能だったでしょう。

 しかし、シアトリティは先見性をよく体現したコンセプトカーとして、現在でも高い評価を受けています。

※ ※ ※

 その時代では多くの人が夢や希望と感じていた技術も、時代の移り変わりによってその捉え方は大きく変化していきます。

 いま、私たちが乗っているクルマも、数十年後にはどのように捉えられ、評価されているのか知る由もありません。

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