やっぱりホンダ! 初開発の「エンジン」が凄かった! 伝統の「ウィングマーク」付けた “自転車みたい” なモデル「ホンダA型」とは
ホンダは創立75周年を記念し、2023年7月4日から31日まで「Hondaウエルカムプラザ青山」で特別展示を実施しています。その中でもとくに目を引く展示品が「ホンダA型」ですが、一体どのようなモデルなのでしょうか。
ホンダの「夢」、すべてはここから始まった
ホンダは創立75周年を記念し、2023年7月4日から31日まで「Hondaウエルカムプラザ青山」(東京都港区)で、同社がグローバルで展開するモデルや、過去に販売していたヘリテージモデルの特別展示を実施しています。
その中でもとくに目を引く展示品が、バイクようで自転車にも見える不思議なモデル「ホンダA型」です。
これはホンダにとって一体どのような存在なのでしょうか。
このホンダA型の正式名称は「Honda A型自転車用補助エンジン」。まだ戦後間もない1947年11月にホンダから発売された、ホンダにとって最初のオリジナル製品です。
頑丈な実用自転車にこの商品を搭載することで、自転車をいわゆる「バイク化」することが可能。クルマより価格が安く、かつクルマより燃費も良いという利点から人気を集め、敗戦によって壊滅した日本経済の復興に大きく寄与しました。
ホンダは元々、このホンダA型の発売前に、陸軍から払い下げられたエンジンを自転車に搭載する通称「バタバタ」を販売していましたが、そのエンジンが品薄となったことでエンジンの自社開発を決意。
ドイツ・シュリハ製の2ストロークエンジンを参考に内製化したうえで、量産化を見込んで金型を使用した「ダイキャスト製」にこだわるなど、多くのオリジナル要素を取り入れて開発されました。
エンジンの吸気系やキャブレターの位置などは当時としては画期的な構造となっているほか、クラッチと兼用する手動式のベルト変速装置などの特許も獲得しており、この時点で既にホンダらしい非凡さの片鱗が垣間見れます。
そのほかの見どころとして、流線型が美しい形状のアルミ製のティアドロップ型タンクは、浜松に身を置く遠州軽合金(現在のエンケイ)製。
製造の依頼を受けた当時は湯たんぽなどを製造していた同社ですが、今では主にアルミホイールを製造する大手自動車部品メーカーとしてホンダとの繋がりが続いていることに、歴史の大きな流れを感じずにはいられません。
またこのタンクには、「翼」をモチーフとしたイラストがあしらわれており、現在まで続くホンダ伝統の「ウイングマーク」の発祥となっています。
そんなホンダA型は、発売後わずか半年で国内における原付用エンジンのシェアの6割を獲得。
日本経済の成長の大きな足がかりとなるとともに、ホンダの未来に向けた夢がここから動き出した、もっとも歴史的なモデルなのです。
※ ※ ※
特別展示ではホンダA型を始めとして、海外専売モデルの「リッジライン」や二輪車、汎用エンジンなど、なかなか目にする機会の無い貴重な製品が披露されています。
開催期間は2023年7月4日から同月31日まで。入場料は無料です。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。