フロントガラスの「▲マーク」は何のため!? 「地味に気になる…」 「意味ある?」 実は凄いマークの正体とは

いったいなぜ?三角形のマークがドライバーを助ける理由

 特許技術であるとはいえ、わずか5mm程度の小さなマークが、ドライバーの運転感覚を補助するとはにわかに信じがたいものです。

 しかし、現代科学では、知覚したものと認識したものは必ずしも同一でないことが明らかとなっています。

 つまり、我々は無意識のうちに多くのものを知覚しているというわけです。

 この小さな三角形のマークについても、意識的に認識しているユーザーはごくわずかかもしれませんが、実際にはドライバーのほとんどが無意識のうちに知覚しているようです。

 たとえば、白紙を眺めていると視線は安定しませんが、白紙に点や線を描くとその部分に視線が誘導されます。

 これはほとんど無意識のうちに行われていることであり、人間の視覚のクセということができます。

どこにあるか…分かる? 「▲マーク」を探せ!
どこにあるか…分かる? 「▲マーク」を探せ!

 三角形のマークについては、ドライバーは、両サイドに設けられた三角形のマーク同士を結ぶ直線を知覚するとホンダは説明しています。

 ホンダが「仮想直線」と呼ぶ、実際には存在しないこの水平の線によってドライバーNo視線移動が安定し、対向車とのすれ違いや狭い道での左折時といった車幅感覚が重要となる場面で、ドライバーの感覚を補助する効果があるといいます。

 もちろん、アラウンドビューモニターやコーナーセンサーに比べると、三角形のマークによる補助効果はごくわずかです。

 しかし、費用対効果という点で言えば、そのほかの補助技術に比べて勝るとも劣らない水準にあると言えそうです。

 適切な位置に「仮想直線」を示すことが三角形のマークの目的であるため、ホンダ車以外でもシールを貼るなどしてなんらかの目印を設けることで、理論上は同等の効果が得られる可能性はあります。

 ただし、フロントウィンドウに対する保安基準は非常に厳しく、公的なもの以外のシールの貼付やペイントは原則として認められていません。ユーザー自身で三角形のマークを設置することは絶対にやめましょう。

※ ※ ※

 乗車中に視線が不安定な状態が続いてしまうと「酔い」につながることから、視線の安定化はドライバー以外の乗員にとっても非常に重要な要素です。

 三角形のマークはおもにドライバーの視線安定化に貢献するものですが、たとえばホンダ「ステップワゴン」では、ダッシュボードのデザインを水平基調にするなどの工夫によって、ドライバー以外の乗員の視線の安定化も図られています。

 こうした微細な工夫の積み重ねによって「いいクルマ」ができあがっていくと言えます。

【画像】どこにあるの? ガラスの「小さな三角マーク」を写真で見る(12枚)

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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